厚生労働省の患者調査によると、1996年には約43万人だったうつ病などの気分障害の患者が2008年には約104万人と2倍以上に増え、メディアでも「うつ病」の文字を目にする機会が多くなった。また、国立精神・神経医療研究センターの調査では、精神科で処方される向精神薬の服用により薬物依存症になった患者の割合が2000年から2012年の間で約2倍になったとも報道されている。
かねてより、マスメディアでは精神科医による薬の多剤併用が指摘され、多くの患者が薬から離れられず悩んできた。どうしてこれほどまでにうつ病患者が増えたのか。また薬の多剤併用が繰り返される裏には何があるのか。今回『生活習慣病としてのうつ病』を上梓された、著者で、獨協医科大学越谷病院こころの診療科教授の井原裕氏に話を聞いた。
――本書の冒頭で「精神科医は患者を薬漬けにしている」と認めざるをえないと書かれていて、現役の大学病院の先生が書いたとは思えませんでした。
井原裕氏(以下井原氏):私は、大学病院に所属する現役医師です。だから「精神医学」の立場に立っているのであって、「反精神医学」の立場に立っているわけではありません。同僚を裏切るつもりもありません。ただ、向精神薬の多剤併用や大量投与については、批判するマスコミに一理あると思います。批判に対して、精神医学側はこれ以上知らぬ存ぜぬを決め込むこともできないし、センセーショナリズムだとして逆にマスコミ批判をして返すなどできないと思います。
マスコミは怒っています。国民だって怒っています。私は少数の同僚を敵にまわすことよりも、1億の国民を敵にまわすことを恐れます。逆に言えば、1億の国民の批判を少しも恐れない精神科医同僚たちを見ていると、「なんて度胸があるんだろう」とも思ってしまいます。
――厚生労働省が発表している気分障害の患者数は96年と08年の12年間の間に2倍以上増えていますし、都内にも真新しく、外観もきれいで受診しやすそうな心療内科をよく目にするようになりました。どうしてこんなにうつ病患者が増えたのでしょうか?
井原氏:99年に最初のSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)が日本で発売されました。同時期に、製薬会社はうつ病を啓発する一大キャンペーンを開始しました。「うつ病はこころの風邪」というフレーズをご記憶でしょう。
しかし、厚労省の気分障害の患者数を見ると99年を境に突然伸び始めています(99年の患者数は44.1万人、02年では71.1万人)。これと同じ傾向を示すのが、抗うつ薬の市場規模の推移です。グラクソ・スミスクライン社がサイト上で公開しています。患者数の増加と薬の市場規模の推移が正確に一致しています。うつ病キャンペーンによって「私もうつ病ではないのか」と思った人が病院に殺到した。その人たちに精神科医は処方箋を書いた。SSRIは飛ぶように売れた。すべては製薬会社の思惑通り。まあこういうことですね。
つーか、毎回思うんですけど、単なる疲れとか、抑うつとかを、内因性の「うつ病」だとして、「うつ病が激増している」ってキャンペーン行ったのは、他ならぬマスコミじゃないですかね。
「新型うつ」とか、現場の精神科医は死ぬ程アホらしいと思っていると思いますが。
マスコミが製薬会社から金貰ってたんじゃないんですか?違うの??医者が薬使ったって、医者の儲けにはなりませんからね。
この、獨協医科大学越谷病院の井原裕教授が言ってるように、不必要なケースに抗うつ剤が入っているケースってのはワンサカあります。それは、知識の無い無能な精神科医が悪いと思ってますし、分かりもしないで抗うつ剤を処方する開業医が悪いと思ってますし、ヤレうつ病が増えている・お前もうつ病だから病院に行けと囃し立てるマスコミが悪いと思っています。
実際、今「うつ病」と診断されている人の9割が、実際にはうつ病じゃないんじゃないですか?統計とったら凄く面白いと思う。境界性人格障害だろうと神経症だろうと「うつ病」ってつけて、いらんのに抗うつ剤が入ってるのが現状なんじゃないですかね。そんな今の日本で、うつ病に効く薬はどれだとか、どれが本当に効果があるのかとかやるのは、チャンチャラおかしい話。診断が違ってるんだもの。