シドニー、アテネ両五輪で計5個の金メダルを獲得し、昨年11月に引退を表明した競泳男子自由形の世界的スター、イアン・ソープ氏(24)=オーストラリア=が、昨年5月のドーピング(禁止薬物使用)検査で「異常な数値」を示したと、30日付のフランス・レキップ紙が報じた。
国際水泳連盟(FINA)は31日、当地で会見し、昨年のオーストラリア選手の検査で異常値が出たことは認めたが、選手名は明らかにしなかった。また、この検査内容についてオーストラリア反ドーピング機関(ASADA)を、昨年12月にスポーツ仲裁裁判所(CAS)へ提訴したことを認めた。
同紙によると、ソープ氏から採取した検体からは筋肉増強作用のある男性ホルモンの「テストステロン」など2種類の禁止薬物に陽性反応が出たという。また、ASADAは関係者の事情聴取や検体の分析後、「科学的な根拠に乏しい」などとしてこの問題を不問に付したと報じた。
一方、ASADAのイングス会長は会見で、選手の検体から異常値が検出されたことは認めたが、選手名を明らかにせずに「その選手が薬物違反したとの報道は誤りだ」と話した。オーストラリア水泳連盟のタスカー最高責任者(CEO)も「彼(ソープ氏)を1000%信じている」などと語った。AP通信によると、ソープ氏はこの問題について、4月1日に会見を計画しているという。FINAのマルクレスク事務局長は「CASの結論が出るまで、詳細はコメントできない」としている。
ソープ氏は個人種目で13度の世界新記録をマークした。99年に世界記録を連発した際には薬物使用のうわさも飛び交ったが、タスカーCEOは「彼はオーストラリア選手でも一番多く薬物検査を受けてきたが、すべて陰性だった」と話している。
ASADAの会長の弁がよくわかりませんね。異常値が出たことを認めつつ薬物違反はしていないという。つまりどういうことなんですかね。
スポーツの世界における実力者だからこそ、常にフェアでいてほしいものです。果たしてやったのか、それともやっていないのか。
関連:
医学処 チェスのアジア大会に、ドーピングテストを導入する
医学処 韓国の小・中・高校生の間で「集中力を高める薬」が大流行
医学処 ディープインパクトから検出されたイプラトロピウムが禁止薬物に