大津市の滋賀県立北大津高で部活中に同じ空手部員に暴行されて後遺障害を負ったとして、1年生だった同市竜が丘、森忠廣さん(21)と両親が、県や当時の部員4人、保護者に、総額約1億8000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が19日、大津地裁であった。稲葉重子裁判長は元部員によるいじめと顧問教諭(53)の過失を認め、県と4人の元部員に計約1億4000万円を支払うよう命じた。
判決によると、森さんは2001年10月9日、同高の格技場で、当時1、2年の部員7人から3時間20分にわたって顔や頭を殴られ、右半身不随や視力低下などの後遺障害が残った。
判決理由で、稲葉裁判長は、顧問教諭は事件当時、いじめに気付いていなかったとした。しかし、森さんの肩の傷を見つけた母親から「いじめがあるのでは」との相談を受けていたことなどを指摘し、「日常的な暴力の実態を認識することは可能で、監視や指導をする義務があった。注意はしていたが、十分ではなかった」と認定した。
稲葉裁判長は、4人の元部員の保護者への請求は退けた。7人の元部員のうち、3人は昨年12月、森さんに計約1200万円を支払うことで和解している。
■両親「いじめ根絶を」
判決後の記者会見で、森忠廣さんの父忠夫さん(56)は「(同様の事件を)繰り返すことのないようにしてほしい」といじめの根絶を訴えた。
森さんは、元部員らから格闘技「K1」のまねごとなどで、日常的に暴力を受けてきた。右半身不随だけではなく、記憶や集中力の欠如などの障害を負った。
今は、母カヤ子さん(55)と一緒にほぼ毎日、リハビリに励んでいる。森さんの目標は、車の免許取得だ。カヤ子さんは判決について「学校での事件なので当然」としつつ、「(森さんが)自立できるようになることが、唯一の望みです」と話した。
滋賀県の斎藤俊信教育長は「県側の主張が認められず、大変遺憾。弁護士と協議し、今後の対応を検討する」とコメントした。
1億4000万円の大半を県が払ったことになりますね。確かにそれはどうかと思います。主犯が1家族あたりン百万払うだけじゃ、効力ないのでは?せめてこれまでのリハビリに要した費用、生活費を全額負担するぐらいでないと。
格闘技…確かに中高生はプロレスや格闘技の真似がすきですが、じゃれあい程度に留めるのが当たり前です。この傷害事件をおこした7人は馬鹿であると同時に、馬鹿に育てた親にも当然責任はあると思います。馬鹿の名前が公表されないで被害者と親の名前が公表されてるというのはよくわからんですね。それだけのことをしたのだから、更正しているかどうかは社会が決めることでは。
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