大腸がん検診で行われる「便潜血検査」を受けた人は、大腸がんによる死亡率が受けない人に比べて約7割低かったことが、厚生労働省研究班(主任研究者・津金昌一郎国立がんセンター予防研究部長)による大規模な疫学調査でわかった。
研究班は、この検査の有効性が裏付けられたとみている。
研究班は1990年、40〜50歳代の男女約4万人を対象に、1年以内に便潜血検査を受診したかどうかを聞き取り、2003年まで追跡調査を行った。
それによると、597人が大腸がんになり、そのうち132人が死亡した。この検査を受けた人は受けなかった人に比べ、大腸がんによる死亡率は72%も低かった。また、検査歴のある人はない人に比べ、早期発見に至るケースが5%多く、逆に進行した段階で大腸がんが見つかる事例が48%も少なかったという。
検診を受ける人は、そもそも健康を気遣う意識が高い可能性もあるが、研究班は、「7割も死亡率が低いのは、それだけでは説明できない。検診自体の効果とみてよい」と分析している。
便潜血検査は、便の中に血液が混じっているかどうかで、がんやポリープの有無を調べる検査。安全で簡単なため、がん検診では広く普及している。
日本人の死亡率として癌は著しいものがあります。確率が高いとわかっているにもかかわらず、その「検査」をしないというのは一体どういうことなんでしょうか。30歳を過ぎた人、定期的な検査は義務だと思ったほうがいいですよ。癌になったと知ってショックを受けるよりマシだと思います。早期であれば助かる人は多いのですから…。
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