不妊治療専門医の団体である日本生殖医学会(岡村均理事長)は16日、母子への危険が大きい多胎妊娠を減らすため、体外受精の際に子宮へ移植する受精卵の数を、35歳未満の患者に対する初回の移植では1個に制限することなどを内容とする指針を決定した。
これを受けて、日本産科婦人科学会も4月から、従来の指針の見直しに着手する。
産科婦人科学会は1996年に、体外受精の際に移植する受精卵は3個以内とする指針を決めた。生殖医学会の指針では、それに加えて、多胎妊娠の危険性が高い40歳未満は2個以下に、とくに35歳未満の初回患者は1個に制限するとした。
移植する受精卵を減らすのは世界的な流れ。この指針に強制力はないが、生殖医学会のホームページに掲載して、医師や患者などに周知を図る。産科婦人科学会も、今回の指針を参考にしながら、96年に定めた指針の見直しを進める。
生殖医学会倫理委員会委員長の石原理・埼玉医科大教授は、「医療現場では、妊娠の可能性を高めたい患者側が、移植する受精卵を増やすように要望する例が多い。医師だけでなく患者にも、多胎妊娠の危険性についてよく考えてほしい」と話している。
2個でも3個でも、着床する確率は確か変わらなかったと思います。そういうデータがあるために、減少傾向にあるのでしょう。
なるべく母体に負担を強いらず、それでいて確率の高い妊娠を行っていかねばなりませんね。
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