京都大病院の心臓血管外科が、手術の安全性に問題があるとされ、昨年末から新規の手術を差し止められている問題で、同科長の米田正始(こめだ まさし)教授(52)が6日、大学を相手取り、科長の地位保全を求める仮処分を京都地裁に申し立てた。
「近く科長を不当に解職(降格)され、再び手術できなくなる恐れがある」としている。一方、米田教授の手術を受けた患者や家族らは同日、「医療の安全の問題ではなく、病院側によるいじめのようなものだ」として、手術の早期再開を求める嘆願書を2501人の署名を添えて病院に提出した。
米田教授は京都地裁で記者会見した。申立書によると、内山卓院長は、先月22日の話し合いや今月5日の電子メールなどで、4月から手術を再開させたいとの意向を示し、そのための最低条件として、診療科長の交代を提案してきた。差し止めについては「業務命令ではないが、業務命令の性格を強く持った自粛要請」という説明だった。しかし米田教授は、教授の診療科長交代は「診療部門から追放されるのと同じ」として提案を拒否した。
米田教授によると、7日に院長や副院長、心臓血管外科スタッフ(7人)を交えた話し合いが予定され、8日には各診療科長による緊急の病院協議会が開かれるという。
内山院長は「内容を見ていないので、何もお答えできない」としている。
確かにこれはおかしい。誰かに責任を押し付けて追放しようとした結果、トップが引退というのはわけがわかりませんね。教師が犯罪をおかしたら校長が謝罪するのと同じぐらい意味がわからない。
以前取り上げたこの記事(京大病院の心臓血管外科が、心臓血管手術を自粛している。)でも、別に米田教授が悪いと書かれているわけではありませんが。むしろ全体の問題では?全体の問題を穏便に済ませたいがために一人を追放しようなどというのはどうかなぁと思います。
で、個人的に気になるのは米田教授の手術の腕前です。確かに米田教授の経歴は立派なのですが、それで教授になれても手術がうまいかどうかは分かりません。
それに関しては介護・医療について考えるブログさんのところに興味深い書込があります。本当かどうかは知りませんが。記事中にもありますように、患者や家族が署名を行うほど慕われているわけです。どっちともいえない、というのが正直なところでしょう。
国公立病院の公務員という性格上の問題です。一人の医師は、手術をしたいといっても、その他の医師、看護師は時間外は受け付けないという問題が根底にあります。事実、医師が緊急手術の必要性を訴えても、看護師は、時間外だからといって、手術に入らないケースは、どこの国立(私立は別ですが)病院でも起こっていることです。
だから、国立病院は、救急患者を受け付けないのです。問題になっているケースも、脳死移植ということから、時間外勤務であったことは想定されます。
この心臓外科医のコミュニケーション不足の問題もあると考えますが、公務員医療関係者の医療に携わっているという使命感の欠如の賜物でしょう。やはり、モチュベーションが低ければ、成功するものも成功しないでしょうから。
また、患者さんに慕われているからと言って名医とも限らないでしょう。患者さんと医者の関係というのは新興宗教の教祖と信者のようなところもあるものです。患者さんはだまされやすいものです。
いちばん問題なのは、こんなみっともない事態が起こる京大医学部と京大病院の体質ではないでしょうか。
まず、手術差し止めというのは
よほどのコトがない限りありえません。