ビタミンA、E、その他の抗酸化サプリメント(栄養補助食品)の摂取は死亡率を高める可能性があり、しかもビタミン剤メーカーが主張しているようなはっきりとした健康上の効果はないことが、広範囲にわたる新たな研究で分かった。しばしばダイエットと結びつけて考えられるように、こうしたサプリメントの持つ健康的なイメージにとっては打撃になりそうだ。
この研究はデンマークの研究者の主導で行われたもので、18万938人の患者に対する47の臨床試験の分析に基づいて、ビタミンA、E、ベータカロチンは死亡率5%上昇と関連があると結論づけている。研究結果は28日付の米医学協会誌に発表されている。
同研究によると、ベータカロチン、ビタミンAおよびビタミンEは単独もしくは他の抗酸化サプリメントと結びついて死亡率をかなり上昇させるという。同研究を主導したコペンハーゲン大学病院臨床治療研究センターのゴラン・ブエラコビッチ氏は「われわれの研究結果は、抗酸化剤は健康を回復させるという観察研究の結果を否定するものだ」と指摘している。
同氏は、ビタミンCについても寿命を伸ばすという証拠はないとし、「生存に対するビタミンCのマイナスの影響の可能性を覆す証拠はない」と述べている。
かなり大規模な実験ですね。むやみやたらに抗酸化物質を摂取しても不具合が生じるということでしょうか。いやーそれよりもサプリメントを飲んでいるということ自体が不摂生なように思います。毎日どんな栄養をどれだけ食べているかを把握していないのであれば、サプリメントは「足りない分を補う」という本来の働きをなしていません。逆に、過剰摂取の危険性が出てきます。ビタミンA、Eが悪いのではなく、しっかりとバランスのとれた食生活によって摂取することが大事だということです。
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