排水に混入した抗不安薬によって、自然環境にすむ魚の性質が大胆になり反社会性が高まることが分かったと、スウェーデンの研究チームが14日に発表した。深刻な生態学的結果を招きかねないと警鐘を鳴らしている。
スウェーデンのウメオ大学の研究チームは、抗不安薬のオキサゼパム製剤にさらされた淡水魚の一種パーチが、群れを離れて1匹だけで生きる傾向が高くなることを発見した。オキサゼパムは他のさまざまな薬剤と同様、人間の排泄物に含まれて自然環境に排出される。
15日の米科学誌サイエンスに掲載される論文で、主著者である生態学者のトーマス・ブローディン氏は「通常、パーチは用心深く、群れで餌を追う。これは、よく知られている存続と繁栄をかけた戦略だ。しかし、オキサゼパム(が混入した水)の中を泳いでいるパーチは著しく大胆さを増す」と説明。群れを離れることによって、捕食者に食べられてしまう危険性が増すと指摘している。
痛みっていうのは、生きる上で大事な機能です。痛みを感じるからこそ人体に負担のかからないように生活できるわけです。痛みを感じない子供が飛び降りたり歯を抜いたりとしてしまう症例をみると、痛みを感じる機能が備わっているからこそ動物は生存出来るんだなと実感します。
不安も同様に、なくしていいものではありません。高度に発達した知能をもつからこそ、社会で生きる上でリスクを減らすために、不安は存在します。人間が生きて行く上で、不安を感じないなどありえない、誰しもが不安を抱きながら、それでも何とか生活しているんです。
抗不安薬は日常生活に支障を出るほどの過度の不安がある場合に使用します。しかし日本では、やたらと処方されているのが実情です。うまく使えば良い薬なのですが、不安を無くしてしまうかの如く乱用することで、「依存」と「耐性」が生まれます。どうしても、という必要時以外は処方しないほうがいいですし、内服しないほうがいいですね。