北海道大学大学院医学研究科の本間研一教授(時間医学)らのグループは、遺伝的な睡眠障害の一つが、脳内にある「時計細胞」が刻むリズムの乱れによって生じることをマウスの実験で突き止めた。10日付の英科学誌ネイチャーコミュニケーションズ電子版に発表した。
グループによると、体内時計をつかさどっている時計細胞は、視神経の交差する「視交叉上核」にあり、1日周期のリズムを生み出している。今回、遺伝子の異常により、睡眠と覚醒を不規則に繰り返す睡眠障害のマウスの脳を観察すると、個々の時計細胞の刻むリズムが、正常なマウスと違い、まちまちになっていた。
眠りの質を改善しようとすると、まずは生活リズムを一定にすることや、運動をすること、それでもダメなら眠剤で調整という流れですが、それに加えて遺伝子異常によって起こる可能性も。時計細胞に働きかける薬というのも出来てくるのかもしれません。