2013年04月15日

思春期を豊かに過ごすと脳波に左右差が生まれる。

思春期に刺激の多い環境で過ごすと脳の左右差と協調リズムが出現

 これまでの研究で、刺激にあふれた豊かな環境で集団飼育された思春期のマウスやラットは、脳の左右にある海馬が担う空間記憶や学習能力が向上することが分かっていました。そこで、理研の研究チームは、飼育環境の違いという外的要因で脳機能の左右の非対称性に影響が出るのかを調べるために、ラットの脳波を計測し、左右の海馬間の神経活動を探ってみました。

 まず、生後3〜6週目の思春期にあたるラットを1匹だけでケージで飼育する「隔離飼育群」と、遊具を入れたケージで6〜8匹で集団飼育する「豊かな環境飼育群」に分け、左右の海馬の脳波を計測しました。その結果、豊かな環境下のラットでは脳波のひとつのガンマ(γ)波の振幅が大きくなり、加えて右側のγ波の振幅が左側より大きくなっていることを発見しました。さらに、豊かな環境下のラットは左右のγ波のリズムが同期することも分かりました。

 また、豊かな環境飼育群のラットに対して、記憶や学習に深く関わる「シナプス可塑性(シナプスの情報伝達効率が長期的に変化する能力)」を左右するNMDA受容体の働きを抑制したところ、γ波の変化は起きませんでした。実際に海馬の情報出力細胞のシナプスを観察すると、豊かな環境飼育群の右側のシナプス密度が左側に比べ、高くなっていました。これによって、飼育環境の違いでシナプス数が変化し、神経回路の再編が左右非対称に起きていることが明らかになりました。



 子育てってのは本当に難しいんだなぁ。まあ思春期になってしまえば半分ぐらい自己責任なんでしょうけれどね。

 「豊かな」思春期の過ごし方を都会で行うってのは、案外難しいもんですね。同世代の友人がどういった人たちなのかというところにも影響しそうですし。

 イメージとしては「まったりと」「楽しく」なんでしょうね。ただ楽しい、刺激的な毎日を送るとなるとオトナの世界だったりとか、責任以上のものが伴ってきそうですし。
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posted by さじ at 02:05 | Comment(0) | 小児
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