障害者らが生み出す独創的なアートを紹介する、関西発の専門誌「brut ブリュット」が誕生した。合言葉は「アートでつながるひと、もの、こと」。現代アートに負けない、自由で驚きに満ちた「障害者アート」の魅力をアピールする一方、各地の取り組みを伝えることで、作家や団体間の交流、連携を促す。
大阪を拠点に活動する美術ライター・山下里加さんら四人が編集。日本フィランソロピー協会(東京)と特定非営利活動法人「はれたりくもったり」(滋賀県)が発行する。
障害者らによる絵画や陶芸は、海外では「アール・ブリュット」や「アウトサイダーアート」と呼ばれる。近年、国内でも注目されるようになったが、「一般にはまだ知る機会が少ない」と山下さんらが全国でも珍しい専門誌の創刊を発案した。
日本では「福祉」の側面から見られることの多い障害者アートだが、美術的価値への関心も高まっており、多彩な視点で魅力や可能性を探る。
このほど発行された創刊準備号では、「描くひと、創るところ」と題して特集。植物などをモチーフに、不思議な温かみと強さを持つパステル画を描く舛次祟さん(西宮市)ら、作家や施設を取材し、創作現場の息遣いを伝える。
ほかに、デンマークの障害者向けアートスクールの様子や、神戸大の大学院生らが企画、実現した音楽家と知的障害者によるコンサート「音の海」の試みなどもレポート。編集部おすすめの作品紹介ページも。主な記事には英文も添えており、スイスの美術館「アール・ブリュットコレクション」でも販売している。
「美しく、見て楽しい雑誌にした」といい、障害者アートにかかわる人らには、「この雑誌で横のつながりができれば。ほかの人たちの考えを知り、それぞれの活動の次の一歩を考えて」と山下さん。創刊号の発行時期は確定していないが、今後、年四回ほどの刊行を目指す。
確かに日本では障害者の活動=福祉という捉え方をする人が多いと思います。ですが芸術というのはそういう「左脳的な思考」ではなく、もっと感性で捉えるものですよね。
私自身、美術系には疎いので偉そうなことは言えませんが、現代アートの場においては、作者の肉体や神経の欠失は関係ないのではないか、と。いやむしろその欠失を生かして芸術作品を作ってもいいわけです。つまり何をしてもいい。
ですから、作者のプロフィールとか載せずに作品と題だけ展示するのも面白いと思うんですよね。っていうか、障害のない人の作品だって、別にその作者の物凄い失恋歴とか異常性癖とかがプロフィール欄に書かれているわけじゃないですもんね。
アートなんだから作品をみて、感じ取れば良いんじゃないでしょうか。感受性がニブいのでこの〆かたは墓穴といっても過言ではありません。笑