2007年02月28日

「島」と呼ばれる脳の損傷によって、禁煙が容易になる。

脳損傷によって禁煙が容易に

 「島」と呼ばれる1ドル硬貨大の脳の領域とニコチン中毒は非常に密接に関係しており、この領域への損傷によりタバコを吸いたいという体の欲求そのものが完全に消え去ることが発見された。もちろん脳に損傷を加えるという治療の選択肢はあり得ないが、今回の結果は、喫煙者への禁煙治療のヒントになり、また既存の治療法での禁煙の進展をモニターするのに役立つであろう。島は体の他の部分から情報を受け取り、それらの信号を我々が自覚できるよう翻訳すると考えられている。

 Nasir Naqviらによる今回の試験は、彼らの研究プログラムに参加していた患者のひとりが、脳梗塞で島に損傷を受けるまでは一日にタバコ40本を喫煙していたが、脳卒中後、努力なしに禁煙できたことをヒントに実施された。

 この患者は自分の体は「タバコを喫いたいという欲求を忘れてしまった」とコメントした。今回、脳に損傷を受ける以前は喫煙者だった69名が調査された。これらの患者中19名は島を含む部位に損傷を受けており、そのうち13名は喫煙を止め、うち12名は非常に簡単に禁煙することができた。他の部位に損傷を受けていた患者の一部も努力なしに禁煙できたが、全体として島に損傷を受けた場合、その他の部位への損傷よりも簡単に禁煙できた割合がはるかに高かった。

 この論文は、島の損傷は患者の喫煙したいという欲求そのものを低下させるのであり、喫煙に伴う快感や「報酬」を減少させるのではないと結論している。

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 島(インズーラ)は脳の外側溝の奥にあるところです。電気刺激により胃の蠕動運動が変化したり内臓知覚が変わったり味覚が変化したりするそうですが…。まだその全貌は分かっていないようです。

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posted by さじ at 18:14 | Comment(0) | TrackBack(0) | 脳神
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