2007年02月26日

ビタミンB3が特定酵素に結合することを妨げれば老化防止に繋がる

ナイアシンの阻害が老化防止につながる

 ビタミンB3(ナイアシン)の一種を阻害するような薬剤が、老化防止に役立つ可能性が示され、医学誌「Molecular Cell」2月9日号で報告された。

 米Wistar研究所(フィラデルフィア)教授のRonen Marmorstein氏らは、ナイアシンの一つであるニコチン酸アミドが、サーチュインと呼ばれる酵素の特定部位に結合し、その作用を妨げることを突き止めた。

 酵母、線虫およびハエなど多種にわたる生物で、サーチュインが活性化されると、有意な寿命延長効果がもたらされる。また、サーチュインは2型糖尿病や肥満のような加齢に伴う代謝障害を管理するのにも役立つ可能性があるという。ニコチン酸アミドがサーチュインへ結合するのを阻害するような薬剤があれば、サーチュインが活性化され、健康増進がもたらされると研究チームは述べている。

 Marmorstein氏によると、今回の知見はサーチュイン活性化薬剤デザインへの新たな道を示すものだという。そのような薬剤がヒトの寿命延長をもたらすかどうかは不明だが、肥満や2型糖尿病などの加齢による健康問題を抑止できる可能性が期待されるとのこと。

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 へえー。しかし難しいことに、このナイアシンを取らなければいいじゃないかというとそういうことではないんですよね。ナイアシンの欠乏は、ペラグラという症状を来たします。ペラグラの三大症状(皮膚炎、下痢、精神神経症状)が起こることを考えると…やはりビタミンB1はとらざるをえないです。サーチュインへの作用部位のみに限定して抑制する薬ができれば、もしかしたら老化を防ぐことが可能になるかもしれません。

 ちなみにナイアシン(ビタミンB3)はカツオ、さば、ぶり、いわし、レバー、鶏ささみ、まぐろ、シラス干し、たらこ、豆類に多く含まれるそうです。

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posted by さじ at 11:50 | Comment(0) | TrackBack(0) | 内分
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