「着たい洋服が見つからない」という妊婦の嘆きが懐かしく感じられるほど、マタニティーウエアにトレンドを反映したデザインが豊富になってきた。ここ数年で急激に進化を遂げた原動力は、妊娠してもファッションに妥協したくないという女性たちの声だ。
おなかをラクに覆うだけのジャンパースカートが没個性な妊婦像なら、大手セレクトショップ「ビームス」のマタニティーレーベル「メリア」のウエアは、母になってもおしゃれや自己実現をあきらめない、そんな現代女性の生き方を反映してデザインされている。
メリアは平成16年、ビームス販売員の川本晶さん(33)と山下厚子さん(32)、浜谷陽子さん(30)の3人の発案でデビュー。第一弾の商品は「パーティー」をテーマに、ヒョウ柄やベロア素材のドレス3点にミラーボール型のバッグだった。
「あえて妊婦らしくないテーマを立てた」と山下さん。最も華やかな場面を想定することで「妊婦がそんなにおしゃれをしたがっているの?」と懐疑的な“オジサマ”たちが理解できるよう、妊婦のおしゃれ願望の象徴にしてみた。「妊娠したからといって洋服の好みが変わるわけじゃない。妊婦だって今までと同じ自分らしいファッションを楽しみたいはず」と川本さん。その後、日常着を中心に約50型を展開するまでになった。
途中、浜谷さんが妊娠。「おなかのほかに二の腕など思わぬところが太ることがわかった」(浜谷さん)ため、ロング丈のチュニック(上着)の襟ぐりを大きめにあけて鎖骨を見せたり、細い肩ひも使いで上半身をすっきり見せるよう工夫を凝らし、妊婦ならではの視点を生かした。
「おなかに赤ちゃんがいる幸せな時期を、出かけたくなるような洋服で明るい気持ちで過ごしてもらいたい」(浜谷さん)。「メリア」では3人のアイデアが詰まったオリジナルの洋服のほか、国内外の約10ブランドのマタニティー商品も扱う。関東の3店舗に加え、3月には「ビームス阿倍野」(大阪)でも販売を開始する。
■トレンドアイテムも存分に
おしゃれなマタニティーブランドはここ数年で増えている。
「ユナイテッドアローズ」(東京)は「グリーンレーベル リラクシング」の店舗でマタニティーウエアを扱う。
また、通信販売を中心に3月から名古屋の百貨店で商品を展開する「マビッシュ ファブリカン」(大阪)のアイテムは、9歳と3歳の男の子の母であるデザイナーのユキさん(36)が感じた「体形が変わる妊婦の服こそ、着ることでかっこよく見せることができなければならない」との考えに基づき、きゃしゃで上質。例えばデニムパンツは脚が美しく見えるように股上を浅くつくり、おなか部分は伸びるリブ編み素材で切り替えてカバーした。
一方、働く妊婦の根強い支持を集めるのが、平成元年から続くファイブフォックス(東京)のマタニティー向けブランド「コムサデモード・ブロンドオフ」だ。
「妊娠したら家から出ないという時代ではない。おなかが大きくても働き続け、おしゃれも楽しみたい人も多い」と広報担当の岡崎千春さん。通常サイズと肩、腕のサイズは同じでおなかや胸まわりにはゆとりをもたせたテーラードジャケットと、おなか周りにリブ編みのニット素材を使ったパンツの組み合わせはオフィスで重宝する。
「最近はスキニー(細身)デニムまであるんです」と岡崎さん。妊婦であってもトレンドアイテムも存分に楽しめる時代となった。
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ニーズにあったマタニティーウェアはこれからの世の中普及していくでしょうね。体型が変わることにストレスを感じてしまう女性もいるようですが、妊娠という奇蹟のひとときだからこそ、変化も楽しんで受け入れてもらいたいものです。ストレスを軽減することで赤ちゃんにも良い影響を与えることができると思いますし。
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