2007年02月21日

救急医学会が、延命治療中止に関する指針を発表する

延命中止、医療チームが判断の場合も 救急医学会が指針案

 回復の見込みがなくなった救急患者に対する延命治療中止の指針を検討していた日本救急医学会は19日、都内で理事会と評議員会を開き、指針案を示した。患者本人の意思が確認できず、家族の意思が明らかでない場合には、医療チームが慎重に延命治療中止の判断する−などの案が示された。同学会は、学会員以外の医療者や国民の意見をきくことが必要として、半年間パブリックコメントを募集したうえで、最終的な指針を決めることにした。

 同学会の特別委員会(委員長、有賀徹昭和大教授)が平成16年5月から、指針案の検討を開始。今月1日に同会として指針案を決定し、理事会と学会社員総会に初めて示した。

 指針案では、回復の見込みがなくなる「終末期」の定義について▽脳死▽生命が人工的装置に依存し、生命維持に必須な臓器の機能不全が不可逆▽他に治療方法がなく、現在の治療を継続しても数日以内の死亡が予想される▽悪性疾患や回復不可能な病気の末期であることが判明した場合−の4つを示した。

 終末期と判断した場合に延命治療を継続するか中止するかの判断は、家族が同意している場合は、患者本人の生前の意思に従うとした。

 しかし、家族の意思が明らかでなかったり判断できない場合は、家族や関係者の納得を得て、医療チームが治療中止の是非や時期を判断。患者本人の意思が不明で、家族とも接触できない場合は、医療チームで慎重に判断する−とした。

 延命治療中止の方法としては、▽家族立ち会いのもとで、人工呼吸器、ペースメーカー、人工心肺などを中止▽人工透析や血液浄化などの治療を行わない▽呼吸管理・循環管理の方法の変更▽水分や栄養の補給の中止−の4方法を示した。

 また指針案は、一連の診療記録の記入方法についても案を示し、医療チームによる治療や中止方針の決定が事後に示せるよう、記入日時や署名を行う−などとした。

 特別委員会の有賀教授は「国民のコンセンサスが必要で、慎重に考えるために学会員以外の医師や国民からの意見を募ることにした」と述べた。学会は2月中にホームページに指針案を掲載することにしている。

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 難しいですよねーこの問題は。どちらが正しいのかという問題ではありません。しいて挙げるとするならば、患者本人にとってどちらの選択のほうが良いのかを判断する良識が必要なのです。意識もなく、しかし身体は動いていて、むりやり生かそうと思えば「生かす」ことができるわけですが、それは「生きる」とは若干意味が異なります。家族には色々と権利があるわけですが、そういったことも考慮しつつ、一番いい選択をしてもらいたいと思いますね。

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posted by さじ at 13:14 | Comment(0) | TrackBack(0) | 救急
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