高病原性鳥インフルエンザで多大な被害を受けているインドネシアがウイルスを「知的財産」だと称して国外の研究機関に提供しない方針を打ち出していた問題で、同国保健省と世界保健機関(WHO)は16日、インドネシアがウイルスを従来通り、WHOに献呈することで合意した、と発表した。
米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)が報じた。インドネシアは、ウイルスの検体を入手したい場合は、商業的に利用しないという内容で同国政府と合意する必要がある、などと主張。提供したウイルスを基に製薬会社が特許済みのワクチンを作っても高価で、富裕な諸国だけが購入の余裕があることへの反発が背景にあった。
同紙によると、16日の合意では、開発されたワクチンの十分な量をインドネシアが確保出来ることが保証されたら、ウイルス提供を再開するとしている。この保証をめぐるアジア諸国の会議が3月に開催されるという。
会議では、経済後進国がワクチンを調達出来る基金創設やインドネシアが自前でワクチンを製造する方途などが議題になるという。
インドネシアの当初の要求について、WHOなどは世界の鳥インフルエンザ対策を遅らせてしまう危険性があるとして非難。他国がインドネシアと同様の方針を取れば、WHOが過去40年にわたって築き上げた感染症対策のシステムが、根幹から崩れ去るなどと警告していた。
インドネシアの行動は、オーストラリアの製薬会社CSLが先月末、インドネシアで採取されたウイルスを使ってワクチンを開発した、と発表したことに関係がある。インドネシア保健省はその後、米製薬大手バクスターと、鳥インフルエンザのワクチン開発に向け、高病原性ウイルスを提供することで基本合意に達したと発表している。インドネシアが研究用のウイルスを提供する代わりに、同社から優先的なワクチンの供給を受ける内容となっていた。
インドネシアの鳥インフルエンザのH5N1型ウイルスの犠牲者はこれまで64人と世界最多になっている。
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えぇー。でもまぁ、インドネシアも大変なんでしょう、ワクチンが国民に行き渡るのかどうか。そのためのカードとしてこういったことをするのは、わからんでもないかなって感じです。
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