2007年02月16日

薬剤溶出ステントを使用する場合、抗血小板薬の服用期間を延長する

新型ステント 薬の服用期間に注意

 狭心症などに対する新しい治療器具・薬剤溶出ステント(DES)を使っている患者は、血液の塊(血栓)を出来にくくする抗血小板薬の服用を少なくとも1年間は続ける必要がある。米国心臓協会など主要な循環器関連団体は、先月中旬に発売された医学雑誌「サーキュレーション」で注意を促した。

 心臓の筋肉に栄養を送る冠状動脈が、狭くなったり詰まったりする狭心症や心筋梗塞では、血管を広げる金網状の筒、ステントが使われるが、網のすき間から、細胞が増殖して再狭窄する問題があった

 そこで、細胞の増殖を抑える薬をステントに塗り、再狭窄を防ぐ新型のステントが登場した。同協会などはこれまで、治療後3〜6か月は、2種類の抗血小板薬(アスピリンとクロピドグレル)の服用を続けるよう推奨していた。

 しかし、最近、治療から6か月を過ぎても血栓が現れることが報告されたため、2剤の服用期間の延長を勧めることにした。

 日本でも、薬剤溶出ステントは2004年に承認されている。メーカーはアスピリンを無期限に、抗血小板薬の塩酸チクロピジン(クロピドグレルは国内未承認)を3か月間、患者に服用させるように勧めているが、今後、対策が求められそうだ。

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 ステントというのは要するに、血管の中にパイプみたいのをいれて、血管が狭まるのを防止しようというものです。記事中にもありますように、ステントに薬剤を塗れば画期的だといわれていましたが、どうもコントロールが難しいようです。改めて、身体というものは色々な要因で動いているんだなぁと思わされました。

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posted by さじ at 22:34 | Comment(2) | TrackBack(0) | 循環
この記事へのコメント
2月16日薬剤溶出ステントの医療講座受けました。血栓薬の長期服用のデメリットをかんがえると再発した時は、運を天にと覚悟の心境。
Posted by 峰松幸子 at 2008年02月16日 20:36
現場の方でしょうか。貴重なご意見ありがとうございます。
確かに血液の凝固と出血傾向のバランスは難しいところですね。こればかりは経験というより賭けに近いものがあるような気もします。
Posted by さじ at 2008年02月19日 03:49
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