2007年02月10日

グリベックが急性リンパ性白血病の治療薬として承認される

グリベック、急性リンパ性白血病の適応を取得

 厚生労働省は、白血病治療薬「グリベック錠」(一般名メシル酸イマチニブ)にフィラデルフィア染色体陽性の急性リンパ性白血病(Ph+ALL)に対する適応症を追加承認した

 Ph+ALLは、フィラデルフィア染色体と呼ばれる染色体異常が認められ、骨髄のリンパ系造血幹細胞ががん化する急性のリンパ性白血病の一つ。骨髄中のがん化した未熟なリンパ球である白血病細胞(芽球)が著しく増加し、正常な白血球や赤血球、血小板が機能麻痺する。その結果、感染症や貧血、出血などの症状が現れ、死亡する危険性が高くなる。

 フィラデルフィア染色体の有無によって、ほかの急性リンパ性白血病と区別される。フィラデルフィア染色体の本態はbcr-abl遺伝子と呼ばれる遺伝子で、この遺伝子はBcr−Ablチロシンキナーゼというたんぱく質をつくる。このたんぱく質が細胞増殖シグナルを異常に亢進させ細胞増殖する。

 Ph+ALLの日本人成人の発症率は、年間10万人当たり約1人発症する急性リンパ性白血病患者のうち15%〜30%を占めるとされる。

 グリベックは、Bcr−Ablチロシンキナーゼの活性化を妨げることによって、細胞増殖を抑制する。国内の臨床試験では、患者8人にグリベック錠600mgを1日1回、平均93日間投与した。その結果、全員に血液学的効果があり、うち5人は4週間以上の効果持続が認められたという。また細胞遺伝学的効果は7人に認められた。

 初発の患者に対する他の薬剤との併用療法では、患者80人にグリベック錠600mgとプレドニゾロンやシクロホスファミドなど4剤を1日1回、平均12カ月間投与した。結果、血液学的完全寛解が77人に認められた。

 グリベック錠は、国内では2001年12月に慢性骨髄性白血病(CML)の治療薬として発売され、03年7月に陽性消化管間質腫瘍の効能・効果を取得した。

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 フィラデルフィア染色体というのは、9番と22番の染色体の相互転座が起こったものを言います。フィラデルフィア染色体上に存在しているbcr-abl遺伝子というやつが、チロシンキナーゼ活性が高いbcr-abl癒合蛋白という特殊な蛋白質を作り出し、白血病を起こすと考えられています。そこで、ですね。そのbcr-ablにうまいこと当てはまる分子標的薬を作ってやろうではないか、ということで作られたのがイマチニブ(商品名でグリベック)なのです。

 御覧下さい、この美しいフィット感!ATPの部分に見事に当てはまっているでしょう?これが画期的治療薬、グリベックなのです。

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posted by さじ at 15:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | がん
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