2007年01月31日

がん患者から卵巣組織を取り出して凍結保存し治療後体内に戻す

女性がん患者 卵巣摘出凍結保存、治療後体内へ

 慶応大病院(東京)が、女性がん患者ががん治療の抗がん剤などの影響で不妊になるのを防ぐため、女性の卵巣組織を取りだして凍結保存、がん治療後に再び患者の体内に戻す臨床研究を計画していることがわかった。

 乳がんや白血病など多くのがんが対象で、日本産科婦人科学会倫理委員会の承認が得られ次第、研究をスタートさせる。

 がん治療などに備え、卵子を凍結保存するケースが増えており、血液がんの未婚女性患者に対する臨床研究も今月、同学会で認められた。だが卵子の採取には1週間以上かかるため、がん治療が遅れる懸念がある。これに対し、卵巣の採取はただちに行え、一度に1万個程度の卵子を保存できる。ただし出産に成功した例は世界でもまだ5例に満たないという。

 卵巣の一部を、がん手術の際や、腹腔鏡手術によって取り出し、零下196度の液体窒素で凍結保存する。同病院では、がん治療の副作用で卵巣機能が低下し不妊になる恐れがある患者のうち、本人が卵巣の凍結を希望し、がん治療の主治医も了承したケースを対象とする。研究を計画した久慈直昭講師(産婦人科)は「がんは以前と違って、治る病気になってきた。がん治療のため出産をあきらめていた女性に出産の機会が提供できる」と話している。

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 癌は治る病気。命を救うだけの医療ではなく、その後の人生を含めた患者の「生活の質」を向上させようという試みはこれからの世の中必要となってくるでしょう。
 
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posted by さじ at 23:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | 生殖
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