ニューヨークの病院で米国初の子宮移植を計画していると、15日付の米紙ワシントン・ポストが伝えた。
病気や事故で子宮を失った女性に自ら出産する可能性をもたらすが、子宮がうまく機能しなければ母子をともに危険にさらす恐れがあり、専門家から「倫理的に問題だ」との批判が上がっている。
同紙などによると、計画しているのはニューヨークダウンタウン病院で、院内の倫理委員会は移植を承認した。死者から提供された子宮を患者に移植し、3か月後に状態が安定してから体外受精を試みる。胎児は帝王切開で取り出し、同時に子宮を除去する。子宮移植は、サウジアラビアで2002年に報告されたが、失敗に終わったという。
同紙は「生命を救うための心臓や肝臓の移植とは違う」といった専門家の批判を紹介している。
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別に命を救うことだけが医療じゃありませんからね。患者のその後の人生に大きな糧を与える「形成外科」の皮膚移植も立派な医療ですし、むしろ率先して進歩していくべき領域だと思います。子宮移植が倫理に反しているという理由がよくわかりませんね。
ただ、移植したとしてもうまく機能するのかといった問題があります。子宮に及ぼすホルモンのメカニズムはかなり複雑です。他者の子宮と適合するのかどうか。そして無理なく子供を産むことができるのかどうか。まだまだ課題は山積みです。
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