2007年01月13日

埼玉医大の米谷新教授が、インドで白内障の無料手術を続ける

[顔]インドで白内障の無料手術を続ける埼玉医大教授・米谷 新さん 59

 インド北東部、紅茶で名高い西ベンガル州ダージリン地方の病院を晩秋に訪ねて無料で手術を施す「ダージリン白内障キャンプ」を2003年から4年連続で行っている。手がけた患者は昨年11月でのべ102人に達した。

 若手や退職した医師でなく現職の教授が途上国でボランティア活動を続けるのは珍しい。以前インドを旅行してその文化の奥深さに強い興味を覚えた。「脂の乗った現役最先端の間に社会還元をしたい」と考えていたこともあって、紅茶輸入を営む知人とダージリンでの治療を計画した。

 やって来るのは、先進国ではまずいない、水晶体が真っ白からさらに茶色へとにごり切って「石のような硬さ」になるまで放っておかれた患者ばかり。一人一人に日本で行う手術の倍の時間と、より高度な技術を傾け、超音波機械でにごりを破砕する作業が深夜まで続く。

 車も通らない山奥から病院職員に担がれて来た老人がいた。手術失敗による失明を恐れて母を病院に行かせまいとする息子を説き伏せたことも。毎年繰り広げられる人間ドラマに「医療の原点を感じる」と、現地で礼にもらったマフラーを手に振り返る。

 「情報の70%は目を通じて入る。目の治療は生活の質を高める」が眼科医としての信条。治療を終える際には、地元の人々に「状況が許す限り戻って来るから」と言い残してきた。

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 カッコイイ医者ですなぁ。信条も凛として素晴らしい。医療を受けることのできないところにいる人のもとへ、自ら足を運ぶ姿勢は、日本で医業を行っている人全員が見習わなければならないものですね。

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posted by さじ at 14:17 | Comment(3) | TrackBack(0) | 眼科
この記事へのコメント
ほんと、かっこいいですね。
医療の原点とも感じます。
僕も医者になったらいつかこの人のように海外や無医村で無料診療できたらいいのに・・・とも思います。
でも普通に働いてたら無理ですよね、きっと。
こういう事をちゃんとサポートしてくれる社会的環境とかがあればよいのになぁと思います。
Posted by tomo at 2007年01月13日 20:08
こういう医者にみてもらいたいものです。
狭い世界で生きていると恥ずかしくなってきますね。
Posted by iri at 2007年01月17日 12:12
>>tomoさん
まさしく。経験に伴う実績と、外国で活動できるバイタリティが必要なのでしょう。ですがやる気さえあれば、越えられる壁だと思いますよ。海外派遣系の組織から始まる、無医村医療もあるでしょう。残念なのは、それらがあまりメジャーではないということですよね。ODAなどで国が費用を払うのですから、医師派遣にも力を注いでもらいたいと思います。

>>iriさん
確かにそうですね。日本で決められた道に載り続けている人よりも、無償奉仕を海外で続けている人のほうが、実際楽しそうです。一度きりの人生、大きく生きてもらいたい。お金を稼ぐことばかり考えていては見えなくなるものもありますからね。
Posted by さじ at 2007年01月19日 20:55
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