2007年01月10日

鳥インフルエンザを10分で診断する新技術を開発

鳥インフルエンザ:10分で診断 大阪の研究所が新法開発

 新型インフルエンザの原因になることが懸念される鳥インフルエンザウイルスだけを迅速に検出する新しい診断法を、大阪府立公衆衛生研究所の高橋和郎総括研究員らの研究グループが世界で初めて開発した。府は近く府内の医療機関に配備する方針。一刻も早い治療や隔離が必要な新型インフルエンザの診断に役立つとみられ、深刻な感染拡大を抑止する切り札として期待できそうだ。

 新型インフルエンザは、鳥インフルエンザウイルスなど、本来ヒトに感染しないとされるインフルエンザウイルスが突然変異を起こし、ヒトの間で大流行すると考えられている。昨年10月末現在、東南アジアなどで256人が発症し、152人が死亡したが、日本では確認されていない。

 研究グループは、鳥インフルエンザウイルスの核たんぱく質の構造が、ヒトインフルエンザウイルスと異なる点に着目。鳥インフルエンザウイルスの核たんぱく質だけに結びつく抗体を作り、これを用いた診断法を開発した。リトマス試験紙のような簡易なもので、10分以内に判定できる

 従来の迅速診断キットでは、鳥インフルエンザとヒトインフルエンザの区別はできなかった。また両ウイルスを区別できるPCR(合成酵素連鎖反応)法では、特別な検査施設で、半日〜1日程度の時間が必要だった。

 新たな診断キットを使い、実際に発症した高病原性鳥インフルエンザ「H5亜型」感染者のウイルスで試したところ正確に反応。高い精度で判定できることを確認した。また鳥インフルエンザウイルスが新型インフルエンザウイルスに変異しても判定可能という。

 政府は一昨年12月、高病原性鳥インフルエンザの迅速で確実な診断を行うことを求める行動計画を策定、新しい診断法の開発が待たれていた。

 同研究所の奥野良信副所長(臨床ウイルス学)は「既に臨床応用できる段階だ。鳥インフルエンザウイルスは海外の旅行者などから持ち込まれる恐れが大きく、そうした水際対策にも威力を発揮するだろう」と話している。

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 鳥インフルエンザ特有の抗体に着目した点が新しいですね。原理としてはインフルエンザ検査と同様なのでしょう。

 まあ、日本では感染例が今のところないので安心ですが、いつ流行するか分かりませんからね。予防第一です。

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posted by さじ at 00:47 | Comment(0) | TrackBack(0) | 感染
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