2007年01月08日

ひきこもり学生を和歌山大学がサポートする。

ひきこもり学生:和歌山大が支援室 専門スタッフ配置

 ひきこもりや摂食障害などに悩む学生が勉学に取り組めるよう、医師や臨床心理士が専門的にケアをする「メンタルサポート室」が9日、和歌山大学(和歌山市栄谷、小田章学長)に設置される。ひきこもりを克服した先輩学生もボランティアで参画し、就労も支援する。同大などによると、ひきこもりの大学生を対象に専門スタッフを配置した組織は全国的にも珍しい。和歌山県とも連携し、同県全域のひきこもり対応拠点としての役割も担う。

 ひきこもりは全国で40万〜100万人いるとされる。同大でも大学院を含め計約4000人の学生のうち、常時80〜100人程度がひきこもりの状態にあるという。同大保健管理センター所長の宮西照夫教授(精神医学)の調査によると、学内で精神疾患を発病した学生数は82〜92年(11年間)は100人だったが、93〜03年(同)は328人に増えた。そのうち、適応障害は12人から91人、摂食障害は3人から22人と増加が目立った。

 適応障害の大部分は男子学生。講義の履修登録方法を周囲に聞けず、そのまま登校できなくなるなど、ささいなことがきっかけとなるケースが多い。また、摂食障害はほとんどが女子学生で、中には月約10万円の仕送りをお菓子代として約5日間で使い切り、食べては吐くことを繰り返して深刻な過食・拒食状態となり、勉学に取り組めない例もある。

 同大は01年からカウンセリングルームを設け、学業復帰を果たした「元ひきこもり」の先輩学生が下宿を訪問するなどしてメンタル面でサポートに当たるなどして、効果を上げてきた。今回設置されるサポート室には、常勤で精神科医1人と看護師2人、非常勤で精神科医1人、臨床心理士3人、精神保健福祉士1人を配置。ひきこもり経験のある学生たちがサポーターとして7人ほど加わる。曜日ごとに適応障害、統合失調症、対人恐怖症、摂食障害などテーマを決めて集団療法などを行うほか、予約制で家族や学外からの相談も受け付ける。

 宮西教授は「『大学生にここまでのケアは必要ない』との意見が主流だが、少子化による大学全入時代を控え、中学高校でひきこもりだった人が大学に入る機会が増えてきた。大学として精神的サポートが必要な時代が来ている」と指摘。小田学長は「充実した大学生活を送ってもらうための取り組みとして、体制を強化した」と話している。

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 なかなかしっかりしたサポート対策室ではないですか。ほんとに些細なことで不登校になってしまうケースがあったりするんで、こういう精神的なサポートで「外に出るきっかけ」を作ることは大事かもしれませんね。社会が個に優しくなくなってきているからこそ、横の繋がりを増やす試みは評価できます。

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posted by さじ at 00:45 | Comment(0) | TrackBack(0) | 脳神
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