2007年01月06日

脳動脈瘤手術による後遺症で群馬大学医学部付属病院を提訴する

脳動脈瘤手術で後遺症 渋川の男性群大を提訴

 群馬大医学部付属病院(前橋市)で脳動脈瘤の手術を受けた渋川市の男性(66)が、左足に麻痺が残り寝たきりになったのは手術に過失があったためとして、男性と家族が、群大に約三千万円の損害賠償を求める訴えを前橋地裁に起こしたことが、五日分かった。

 訴状によると、男性は二〇〇三年十二月十五日、脳動脈瘤の破裂を防ぐため、同病院で金属製クリップで動脈を挟む手術を受けたが、手術中、動脈瘤が破裂した。手術後、男性担当医が鎮静剤を投与。翌日、男性の左足が麻痺し、検査で脳梗塞が判明した。現在も寝たきりで、会話もできないなどの後遺症となった。

 原告側は、担当医から「(脳動脈瘤が手術の)簡単な場所にある」と説明され手術に同意したといい、「あえて難易度の高い手術を行ったため、脳動脈瘤を破裂させた過失がある」と主張。担当医から手術の危険性に対する説明が不足し、鎮静剤投与が脳梗塞を拡大させた疑いもあるとしている。

 担当医は〇四年三月下旬、別の病院に移る際、男性の家族に「今のような状態になったのは手術が原因。申し訳ない」と謝罪したという。群大医学部総務課は「弁護士と相談しているので、コメントできない」としている。

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 また群馬大学医学部。ほんの1ヶ月前に、「執刀した第1外科全体の技術が未熟だった」という声明を発表するなどしていたばかりですが。

 参考:群馬大学病院の生体肝移植で後遺症が残ったのは、腕が未熟だから

 脳外は難しいです。ホントそう思います。こういう訴訟が起こったのは医師が保身を考えなかったから、というよりも、患者との関係作り、つまりインフォームドコンセントに失敗したと考えられます。下記は脳外科医のインタビューです。

脳外科医は「逃げ道」作らない なんと大変なことか

「大丈夫だ」 覚悟して患者に言い切る

上山は、脳動脈瘤という脳内にできた血の固まりを取り除く手術を得意とするプロフェッショナルである。彼が勤務する病院は北海道の旭川にある。しかし都会の病院で手術を断られた患者がひっきりなしに訪れるほど、その腕前は広く知られている。

脳動脈瘤は、破裂すれば半数が死に至ると言われている恐ろしい病である。その破裂を未然に防ぐために手術をするのだが、術後の後遺症が残る場合がある。医者からの説明を受けた後で、最終的に手術を受けるかどうかの判断が患者にゆだねられる。

ここで、大多数の医師は「成功するという確信はない」という前提で医療作業を進めることになるだろう。あらゆる手術にはリスクがついて回る。もしも万が一失敗した場合に訴えられないようにするためにも「大丈夫、心配ない」とは言えないだろう

たしかに医師として自らの保身を考えた場合、言い方は悪いかもしれないが"逃げ道"を作ってしまった方が楽なはずだ。しかし、上山の場合は違った。彼は、長年の経験から自信がある症例の場合は「大丈夫だ」と覚悟を持って言い切るのだという。

 患者に全力で応えるのがプロフェッショナル

医師が"言い切る"というのは凄いことである。それはあらゆる責任を負う覚悟をするということにほかならない。言い切ってしまうのは自らの医師生命を失いかねない危険なことだと言われたこともあるそうだ。

言い切ることに対して恐怖は感じないのか? 番組でそう問われたとき、上山は「もちろん感じる」と答えたあと、「しかし」と言って続けた。

 「"逃げ道"を作ることは、命をかけて頼ってくれる患者さんに対して卑怯な行為。患者は医者を信頼しきって手術台で目をつむる。それに答えられなかったら、自分が悪いんです」

私は幸いにもまだ大きな病気にかかったことがなく、手術も受けたことがないので、患者の気持ちは多分よく分かっていない。しかし、患者が求めているのは、医者の腕前や設備の充実だけではないのだと思う。上山の患者に対する態度を見ていてつくづくそう思った。"大丈夫"と医師が一言言ってくれるだけで、患者の不安は和らぐにちがいない。そんな自分の不安までも取り除いてくれる医師こそ、今もっとも望まれている医師なのだろう。

患者は誰もが不安を抱きながら、プロとしての医師に自分の命をゆだねる。それに対し、医者は"逃げ腰"で接してはいけない。全力で向かってくる者には、全力で答えていく。それが”プロフェッショナル”なのだろうと、上山を見て思った。

プロフェッショナルは、何時でも人々の期待を裏切ることがあってはいけないということか。プロフェッショナルになることの、なんと大変なことだろうか。

関連:群馬大学付属病院の生体肝移植成功率が極端に低い件


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posted by さじ at 19:26 | Comment(0) | TrackBack(0) | 大学
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