ビタミンDの摂取が多発性硬化症(MS)を予防する可能性があることが、米国ハーバード公衆衛生大学院の研究者、アルベルト・アスチェリオさんらによって指摘された。
アスチェリオさんらは、米陸軍と海軍でMSを発症した257人について、発症前の血清のサンプルのビタミンDの濃度を調べ、健康な兵士のものと比較した。その結果、ビタミンDの濃度が最も高いグループの人は、MSを発症するリスクが62%低いことが分かった。
とくに20歳未満の人に顕著で、「子供のころから努めてビタミンDを摂取すればよいのではないか」(アスチェリオさん)という。
MSは大脳、脊髄などの中枢神経系に起きる疾患で、自己免疫による誤った攻撃が原因とみられている。視力障害、運動失調などを招き、治癒しない。米国には40万人の患者がおり、20代後半から30代にかけてが中心。
ビタミンDがMS予防につながるという研究はこれが初めてではない。だが、ビタミンDの過度の摂取は腎臓結石の原因などにもなり、積極的な摂取を勧めるためにはさらなる研究が必要とアスチェリオさんは指摘している。
ビタミンDは肝油、サーモン、サバ、ツナ缶(オイルを使ったもの)、オイル・サーディン、ビタミンD強化ミルク、同シリアル、卵の黄身、マーガリンなどに豊富。日光を浴びた皮膚でも合成できる。
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日本人や黒人にはそれほど多くない、白人に多く起こる疾患です。原因がわかっておらず日本では難病指定されています。ビタミンDはおそらく一般的な日本の食卓であれば充分摂取できると思われますが、偏りがちな人はご注意。子供がまともに育つかどうかは、和食で決まるようなものです。ちなみにイワシ、サケ、マグロ、しいたけなどにも多く含まれます。
参考:難病情報センター 多発性硬化症