東大医学部図書館が所蔵している過去の卒業アルバムから、およそ100年前に撮影された手術現場などの写真が多数見つかった。
明治期の医療現場を写した画像は極めて珍しく、近代医療の原点を伝える貴重な資料だ。
東大医学部は、1858年に徳川幕府が設置した「種痘所」を源流として1877年に発足。卒業アルバムは1902年に最初に制作された記録があり、図書館には翌03年分から現在まで、第2次大戦中など一部の年を除いて、ほとんどが保存されている。
アルバムは長いあいだ死蔵状態だったが、2008年に種痘所設置150周年を迎えるのを機に、永井良三・同学部付属病院長が内容を調べたところ、明治期のアルバムに、当時の外科手術や発明まもないエックス線撮影など、当時の医療現場を伝える写真が1000枚以上も含まれていた。
普段着姿の学生が見守るなかで行われた外科手術の写真(明治39年=1906年)からは、細菌学が緒に就いたばかりで感染防止への意識が薄かったことがうかがえる。永井病院長は「当時の最先端医療の状態が手に取るようにわかる。学生の真剣なまなざしからは、西洋に必死で追いつこうとしていた青年たちの姿も伝わってくる」と話している。
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果たして今の医学生に「必死さ」はあるのか。日本の中で張り合うのではなく、外へ目を向けてほしいですね。こういう写真から学ぶものは多いと思います。戦時中の日本の兵隊然り。
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確かに写真に写っている父の同級生たちの表情は真剣そのものだったです。初心忘るべからず、と新年にあたり考えた次第。
貴重な写真ですね。
医学という、人を相手にしている学問を行うにあたっては慢心こそ敵なのでしょう。日々、真剣に臨むことこそ、語り継がれる原点なのかもしれません。
物が溢れている今だからこそ、その姿勢を見つめなおし、自身に取り入れることも必要ですよね。