2006年12月29日

75歳以上に、医師の治療を制限する「定額制」を導入

75歳以上の外来医療、「定額制」を導入へ 厚労省

 厚生労働省は28日、75歳以上のお年寄りの外来診療について、医師の治療を1カ月に何回受けても医療機関に支払われる診療報酬を一定にする「定額制」を導入する方針を固めた。寝たきりの在宅患者への往診など、高齢者向け医療の一部ではすでに定額制が導入されている。厚労省はこれを外来医療へと拡大して医療費の抑制を図る考えだ。高齢者に対して、必要度の高くない医療が過剰に行われているとされる現状を改善する狙いだが、患者の受診機会の制限につながる可能性や、医療機関がコストを下げようと必要な医療まで行わなくなる危険もあり、今後、適用する疾病の範囲や条件を慎重に検討する。

 06年の医療改革で、75歳以上を対象にした新しい保険制度を08年に創設することが決まっている。厚労省は来年3月までに、ここに盛り込む独自の診療報酬体系の基本方針を出す予定で、外来診療の定額制導入は、その柱となる。

 社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の特別部会で1月から本格的に検討を始める。患者は、高血圧や心臓病、関節障害など、特定の慢性疾患の医療機関をあらかじめ選ぶ。そこで一定回数以上受診すると、それ以上は何回受診して投薬や検査を受けても医療機関が健保組合から受け取る報酬は定額とする方法などが検討される見込みだ。

 現在の診療報酬は、個別の診察や検査、投薬について細かく料金が設定され、それを積み上げて治療費が決まる「出来高払い」が基本。患者に多くの治療を行うほど医療機関の収入が上がる仕組みで、高齢者の外来医療では「過剰な診療で、医療費の増加や病院・診療所のサロン化を招いている」との指摘もある。

 75歳以上の医療費(04年度)は9兆214億円で、医療費全体の28%を占める。患部を温める簡単な治療を受けるため患者が1カ月に20回以上診療所に通うなどのケースもある

 厚労省は、医療の質を保ちつつ定額制を導入することは可能とみるが、患者は選んだ医療機関に一定期間は通い続けることが求められ、いつでもどの医療機関でも受診できる自由が一部制限される。受けられる治療の回数が減ったりすることも考えられ、反発が予想される。

 また、同じ病気について患者が同時期に複数の医療機関を受診すれば、逆に医療費がふくらむ恐れもあり、重複受診を防ぐ仕組みも必要となりそうだ。

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 また医療費削減ですか。確かに高齢者が病院に入り浸り、また、病院側も不当な治療で儲けようとしているというのはあるかもしれませんが、この制度はなんかオカシイ。何がオカシイかというと、一定以上通った人は自己負担額が高くなるという制度ではなく、病院側が保険期間から収入を得られない制度だから。つまり損を被るのはまたしても病院だということ。

 しかも「どこを基準にするのか」は厚生労働省が決めることだから、患者の個人差による治療回数に応じることができない。本当に必要なのに1回でも治療をオーバーしてしまえば、病院側が損を被ることになる。それはおかしいんじゃないのか。結局病院を不当、高齢者を用もないのに入り浸る存在と決めつけているから、こういった策が生まれるんだと思う。またしても良心的な病院ほど赤字が膨らんでいくのか。

 まあ厚生労働省が悪いというより、国民が悪いと個人的には思います。本来ならば医療費を削減するのはおかしいんですから。国民の寿命・福祉があがっているんだから医療費が上がるのは当然のことでしょう?ほかの不要な部分を削減せず医療費ばかりターゲットにおいているのがわけわかりません。そこを糾弾しない国民は、厚生労働省よりも悪いと思います。厚生労働省は、うえの決めた予算をやりくりしようと頑張っているだけですしね。

パーキンソン病と潰瘍性大腸炎の治療費の公費負担を外します
何で厚生労働省は医療費を誤魔化そうとしているの?
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posted by さじ at 12:47 | Comment(0) | TrackBack(0) | 介護
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