2012年12月02日

遺伝子によって鎮痛薬の依存重症度を見極めることに成功。

東京都など、「鎮痛薬感受性」と「依存重症度」に影響する遺伝子を発見

 東京都医学総合研究所および東京都福祉保健局は11月28日、東京歯科大学など15の器官との共同研究において、網羅的なゲノム解析を行うことで、「鎮痛薬感受性(効きやすさ)」と「依存重症度」の両者に影響する遺伝子配列の差異を見出したと共同で発表した。

 鎮痛薬に対する感受性には大きな個人差があり、痛みの治療をする上で大きな問題となっている。世界保健機関(WHO)によるがん性疼痛治療指針の五原則の1つに、「患者ごとに適量を求めること」が挙げられていることからも、鎮痛薬感受性が個々人で異なり、患者ごとの鎮痛薬感受性を把握することが疼痛治療の現場においてきわめて重要であることがうかがえるはずだ。依存の重症化にも大きな個人差があり、同じ依存性物質を同程度摂取しても、深刻な依存症に陥る人と、そうでない人がいて、治療や予防を行う上でも問題となっている状況だ。

 現在は、深刻な依存に陥るリスクがある人を見分けられないので、このような人たちはリスクを知らずに酒やたばこなど合法な依存性物質を摂取して深刻な依存症になったり、非合法の依存性薬物にまで手を出してしまったりする可能性があり、大きな社会問題を引き起こしている。

 研究グループは、画一的で強い痛みが生じる「下顎形成外科手術」(うけ口などの歯の噛み合わせの問題を矯正する手術の1つ)に注目し、その術後疼痛管理に必要な鎮痛薬量と患者の遺伝子多型との関連をゲノムワイド関連解析(GWAS)によって調べ、2番染色体長椀の「2q33.3-2q34」領域における「rs2952768」という遺伝子多型が手術後24時間における「オピオイド性鎮痛薬」(モルヒネ、フェンタニル、オキシコドンなどがあり、強い鎮痛作用を有する)の必要量と有意に関連していることが見出された。

 さらに、物質依存症患者および他集団の健常者において、オピオイド感受性が低いと考えられるrs2952768多型の「アレル」保有者では、低い依存重症度の指標およびパーソナリティ質問紙における低い報酬依存スコアとそれぞれ関連していることもわかった

 この遺伝子多型は鎮痛や依存の個別化医療を実施する上で、最有力な遺伝子多型であると考えられた。事前に鎮痛薬必要投与量を予測して早期からの適切な疼痛治療を行ったり、事前に依存症が重症化しやすいかどうかを予測して予防や治療に役立てたりするなど、個々人の体質に合わせた疼痛治療および依存症治療の発展が加速すると考えられるという。

 現在、東京歯科大学水道橋病院において下顎形成外科手術を受ける患者を対象として、今回発見したrs2952768多型およびこれまで同定した「鎮痛薬感受性関連多型」などを予測変数として、患者個々人に合った鎮痛薬投与量を予測する「テーラーメイド疼痛治療」が実施されている。



 これは面白い。実際薬に対して依存的になっている人というのは、目立たないだけで非常ーに多いのが問題でした。これで早期に見極めることで、医療機関や薬への依存を防ぐことができるようになるかもしれません。また、痛みってのはホントその人それぞれですので、うまく最適な薬を使えるようになるかもしれません。


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posted by さじ at 05:00 | Comment(0) | 薬理
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