岡山大病院(岡山市北区鹿田町)は16日、性同一性障害(GID)の患者に腹腔鏡を使って腸管から膣を形成する性別適合手術を実施する。これまで先天性の膣欠損患者には行われている手術だが、GID患者へ適用するのは国内初という。
「体は男性で心が女性(MTF)」の患者への膣形成は陰嚢や陰茎の一部を使っているが、皮膚が縮んで形状が変わりやすいことなどが課題。腸管は腸液を分泌するため本物に近いのが特長で、性交渉がスムーズになり患者のQOL(生活の質)向上につながるという。
患者は東海地方に住む20代。手術はS状結腸と直腸の一部を12〜14センチ切除し、上部を閉じて血管をつないだまま腹膜に開けた穴に通して、会陰部へ移動させ固定する。
腹腔鏡手術は長さ1センチほどの穴を3カ所開ける程度で体への負担が少なく、10日ほどで退院できる見込み。腸管を切除することで排便などに支障が生じることはないという。
腹腔鏡でこんな細かい手術も出来るようになるんですねぇ。腕の良い外科医というのは本当に貴重です。