岩手医大副学長で同大医歯薬総合研究所所長の祖父江憲治医師(神経科学)ら研究グループは17日、盛岡市の同大で記者会見し、ストレスによって精神疾患を引き起こす分子メカニズムを解明したと発表した。祖父江医師らが発見したタンパク質「カルデスモン」が、脳の情報伝達を担う「シナプス」の形成促進に深く関わっていることを世界で初めて突き止めた。うつ病や心的外傷後ストレス障害(PTSD)などの精神疾患の発症メカニズムの解明につながり、将来的な治療法や新薬の開発も期待される。
祖父江医師は「記憶や学習などの高次脳機能の解明にもつながる成果。カルデスモンの働きに注目した治療法を開発できる可能性はある」と実用も見据えた研究展開を目指す。
今回の研究は、米国の学術雑誌「ザ・ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス」の最新号で紹介される。
ストレスって言葉はものすごく浸透している割に、何をもってストレスとするのか、それがどう影響してくるかは漠然としておりました。カルデスモンが影響を与えるのであればこれをうまく測定することができれば、ストレスによる心因性うつなどの診断などに至るかもしれません。今後の研究が楽しみです。