交通事故で死亡した少年(14)の臓器が、少なくとも7人の患者に提供されることになった。
少年はバスにはねられて脳に重傷を負い、数日後に死亡した。しかし医師がスポーツ好きで健康体だった少年の心臓、肺、腎臓、肝臓、皮膚、骨格、角膜を保存することに成功した。
香港病院の関係者は、少なくとも7名がこれら臓器の提供を希望したと話している。
日刊紙『アップル・デイリー』によると、この少年は生活保護を受けている母親(41)と二人暮らしだった。臓器提供に関して親族から反対されているものの、母親は「他の家族を救うことになる」と提供に前向きな姿勢であることを報じている。
「たとえ悪く言われようと、社会のために私は何かをしたいのです。息子は本当に素晴らしい子でした。死んでしまったけど、彼の呼吸、心臓の鼓動を今でも感じることができます。息子は天使になったのです」と母親は同紙に話している。
中国では死亡した人間の体をそのままにしておくことが死後の世界で幸せになれると考えられており、香港でも臓器提供に関しては否定的な見方をする人が多い。
そんな中、香港医師協会のチョイ・キン博士は今回のケースについて、「とても素晴らしいことだと思います。私たちは臓器を切望しているのです」とコメントしている。
香港では昨年、臓器提供をした人は100万人にわずか4.2人の割合だった。
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素晴らしい思考力をお持ちのようで。日本でも死後の世界が云々で臓器移植数は進んでいません。献体もままならない状況です。医学と倫理には切り離せない関係があります。それでも、7人の「人間」が助かるという事実は、高く評価されて然るべきです。
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