厚生労働省は2014年の歯科医師国家試験から、身元確認に関する問題を出題対象にする方針を固めた。
来年4月には身元確認への歯科医の関与を明文化した死因・身元調査法も施行されるため、日本歯科医師会は、年1回の専門研修の回数を増やし、全国的に実施する。
歯科医による鑑定(歯牙鑑定)は、遺体の歯科所見を専用の用紙に記録し、生前のカルテなどと照合する作業。形状や治療痕などを1本ずつ、写真やレントゲンも用いて比較すれば、高い精度で身元を特定できる。
東日本大震災では、今年8月末までに身元が特定された1万5576人(全遺体の98・6%)のうち、1割近い1213人は歯牙鑑定が決め手となった。歯牙鑑定などを行わず、遺族による外見での確認に頼ったケースでは、少なくとも13件の取り違えが判明している。
東日本大震災では、この歯から鑑定するスキルが大活躍でした。歯科医の知られざる一面の1つです。医師が法医学の知識が必須とされているように、歯科医の鑑定技術も必須とされる時代。