岩国市の山間部で、漢方薬などの原料となるカンゾウの栽培研究が進められている。漢方薬だけでなく甘味料や化粧品など用途は広いが、本来は中国などの乾燥地帯に分布する植物だけに国内生産は困難と思われてきた。しかし、日本でも育つことを新日本医薬岩国本郷研究所(岩国市本郷町)が確認。試験栽培に本格的に乗り出し、今秋初めて収穫にこぎ着けた。
岩国市北部の山間部に位置する美和町西畑地区。約40アールの畑に園芸用ポットに入ったカンゾウの苗が並ぶ。吉岡達文所長(56)たちがスコップでポットの下を掘り返すと、地中から長いもので約1メートル、親指ほどの太さの根が出てきた。この根に含まれる甘味成分グリチルリチンがみそやしょうゆ、スナック菓子、たばこ、シャンプーなどの原料になる。
この畑はもともと雑草が生い茂る休耕地。同研究所が借り受け、雑草を伐採。土地を耕してカンゾウの苗を植えた。その後は水も肥料も一切やらず、伸びた雑草だけを刈って管理している。吉岡所長は「管理は楽。量産も可能なはず」と手応えを感じている。
研究所は2年前から試験栽培に本格着手。美和町と本郷町の計約1ヘクタールに約2千株を植えたほか、島根県奥出雲町や熊本県合志市など5県で計2万株の育成に取り組んだ。ことし9月から収穫を始め、根の直径が5ミリ以上に太るなど順調な生育が確認できたという。
お、これは素晴らしい。
わたくし、「カンブリア宮殿」という番組が一番好きでして、毎回観ているんですが、その中でとある集落で「価値のあるものを作る」ことに注目している公務員がいらっしゃって。凄いなーと。それを実現してしまうのが凄い。この甘草栽培も、結構いい具合に、まちを発展させることに繋がるかもしれません。