2012年11月26日

2型糖尿病の要因として重要なGタンパク質共役受容体を発見する。

理研、肥満による2型糖尿病の要因としてGPCRの1種「GPRC5B」が重要と確認

 理化学研究所(理研)は11月21日、「脂肪細胞」表面に局在するGタンパク質共役受容体(GPCR)の1種「GPRC5B」が、肥満による2型糖尿病の発症において重要な役割を果たすことを発見したと発表した。

 生体エネルギーの元となる脂肪は、食物から摂取したり体内で炭水化物から合成したりして主に脂肪組織に蓄積されている仕組みだ。蓄積された脂肪は、さまざまな分解経路を経てエネルギーに変換され、生物はそれを利用して生命を維持している。脂肪の蓄積と消費のバランスを制御することは、ヒトも含め生命体の健全性を維持する上で重要だ。食物の過剰な摂取や枯渇による蓄積-消費バランスの破綻は、さまざまな病気の発症につながってしまう。

 特に近年になって、糖尿病、高脂血症、高血圧症などの疾病リスクを高める肥満は増加の一途をたどっており、早急な予防対策が求められている。肥満の分子メカニズムを理解するためには、組織間で制御されているエネルギー代謝を調節する仕組みを調べることが重要だ。しかし、この仕組みは複雑で容易に明らかにすることは困難である。

 最近の研究により、細胞膜上の構造がエネルギー代謝制御に深く関係していることがわかってきた。2008年に研究グループは、ヒトからショウジョウバエまで共通して保存されているGPCRの1種「BOSS/GPRC5B」を発見し、その機能を詳細に解析。この結果、BOSS/GPRC5B遺伝子は、ショウジョウバエでは複眼形成過程に関わる「Svenless遺伝子」に関連する因子として中枢神経細胞に発現していたが、それだけではなく脂肪体(脂肪組織)にも発現していて、体全体のエネルギーバランスの維持に関わる「膜機能分子」であることが発見されたのである。

 研究グループは今回、GPRC5Bが関わる詳細なエネルギー代謝制御機構の理解を目指して、その機能やそれに関わる因子など解明に挑んだ。具体的には、ヒト胎児腎細胞由来の培養細胞を用いて、GPRC5Bと結合する因子を含んだタンパク質複合体を分離精製し、「分子ふるいクロマトグラフィー」で解析した。

 その結果、GPRC5Bは、細胞膜上で細胞内外シグナル発信の基地となる領域の「脂質ラフト」に存在するタンパク質「カベオリン‐1」と一緒に脂質ラフトに局在することがわかったのである。脂質ラフトは、細胞外との情報伝達に使われる受容体や酵素が密集している通路だ。



 1つ1つのこまかーいたんぱく質の役割が、徐々に解明されつつあります。そこが原因で起こる病気の発見や、たんぱく質に特異的に作用する薬などが誕生すると、これまで以上に「治療対象」となる疾患が増えてくるでしょう。1歩1歩の積み重ねで今の医療があることを再認識させられます。


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posted by さじ at 00:00 | Comment(0) | 循環
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