多くの抗結核薬が効かず、世界保健機関(WHO)が警戒を呼びかけている「超多剤耐性結核菌」に、国内でも年間60〜70人が新たに感染していると推定されることがわかった。結核予防会が25日公表した。
WHOは、最初の治療で試すイソニアジドなど2種類の薬に耐性がある結核菌を「多剤耐性」と分類。さらにカナマイシンなど2度目以降に試すいくつかの抗結核薬にも耐性があるものを「超多剤耐性」と定義している。世界の結核患者の2%は超多剤耐性菌に感染しているとされるが、日本での実態はわかっていなかった。
結核療法研究協議会(療研)が、2002年6〜11月に、国内99か所の結核治療施設に入院した患者3122人から採取した結核菌を分析したところ、多剤耐性菌が55人から検出され、うち17人(約31%)は超多剤耐性菌だった。
全国で結核のため入院する患者の数と、療研の調査結果などから、結核予防会は、超多剤耐性菌感染者は60〜70人いると推定した。予防会は今後、超多剤耐性結核の発生状況の監視を続けながら治療方法の研究などを行う。
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相次ぐ警戒にも関わらず…。超多剤耐性結核菌は、下手すれば未曾有の大流行にも繋がる可能性があります。結核を完治させることと、予防を徹底することが大事です。
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