多発性硬化症の患者の筋肉硬直の治療に大麻抽出物を使用すると、硬直が軽減されるとの研究結果が、9日の専門誌「神経学・神経外科学・精神医学ジャーナル(Journal of Neurology, Neurosurgery and Psychiatry)」に発表された。
英国人患者約280人を対象に12週間にわたって行われた大麻を使用した治験の最終段階では、患者は2グループに分けられ、一方には偽薬が、もう一方には大麻の有効成分であるテトラヒドロカンナビノールの錠剤が毎日与えられた。量は最初は2.5ミリグラムから始めて25ミリグラムまで2週間をかけて徐々に増やしていった。
治験の最後に、筋肉のけいれんについて患者に質問したところ、軽減したと答えた人は偽薬のグループでは15.7%だったが、テトラヒドロカンナビノールを与えられたグループでは29.4%だった。またテトラヒドロカンナビノールのグループでは、睡眠の質が向上したという回答も報告された。一方、神経系や胃腸の障害が副作用として報告されたが、いずれも深刻ではなかった。
多発性硬化症では、患者の最大90%が痛みの伴う筋肉の硬直を訴える。硬直が原因で寝不足や体の動きの障害を訴える人も多い。
多発性硬化症は再発するとかなりしんどい病気です。この辛さがとれるなら、医療用の成分の開発と承認が早めに求められますね。ちゃんと規制して使えば良いはずで。多発性硬化症なら、診断もしっかりできるでしょうし、悪用される心配もないですし。