ノロウイルスなどによる感染性胃腸炎の流行が拡大している。
厚生労働省が「警報」を発した都道府県は45に上り、この冬は1981年の調査開始以来、最大の流行だ。15日には、松山市内の病院で今月に入り、感染性胃腸炎が原因とみられる症状を訴えていた、72〜100歳の入院患者4人が相次ぎ死亡していたことも判明。国立感染症研究所では、「今がピーク」としているが、なお警戒が必要だ。
同研究所は、全国約3000か所の小児科医療機関から、感染性胃腸炎の発生状況の報告を毎週受けている。全国の570保健所の管轄区域ごとに、1医療機関当たり1週間で、平均20人以上の患者が出ると、厚労省は保健所に注意喚起のための警報を発している。この患者数の全国平均が先月下旬、19・83人となり、過去最高となった。
今シーズンは、10月初めに九州で警報が出された後、東へ向かって急速に広まった。今月初めには、青森、沖縄を除く45都道府県にある293保健所に警報が出されている。
ノロウイルスは、カキなどの二枚貝を生食した場合の食中毒が知られるが、むしろ多いのは、患者の吐しゃ物などを通じて感染するケースだ。
東京・池袋のホテルで今月初め、宿泊客ら347人が感染した事例では、客の吐しゃ物の処理が不十分だったことが原因だったとみられている。吐しゃ物を、紙でふき取ってから、中性洗剤でふいていたが、ノロウイルスは塩素系の漂白剤でなければ死滅しない。さらに、乾燥して空気中に舞い上がっても、10日間程度は感染力が残り、ウイルス数個でも感染するという。
松山市のケースは、同市高井町の松山リハビリテーション病院(友岡康雄院長)で発生。死因は、急性心不全や多臓器不全などだった。市や病院によると、隣接の介護老人保健施設で11月末、感染性胃腸炎とみられる集団感染が発生。うち2人が別の病気の治療で同病院に移った後、院内で感染が拡大した。
学校や高齢者施設などでは、患者1人いれば、ドアノブや手すりについたウイルスを通じて、感染がどんどん広がってしまう。
同研究所感染症情報センターの松野重夫主任研究官は、「このままだと、患者数は1000万人くらいになるのでは」との見方も示している。同センターでは、食事前とトイレの後の手洗いの徹底を呼びかけている。
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ゲロから空気中へいくケースが多いみたいです。皆さんも注意しましょう。相当な勢いで流行っていますからね。
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