2006年12月15日

長距離ランナーは、皮膚癌のリスクが高くなる。

長距離ランナーは皮膚癌リスクが高い

 メラノーマ(黒色腫)などの皮膚癌リスクが、長距離ランナーで高いことが、ヨーロッパの研究で明らかにされた。メラノーマは致死率が高く、侵襲性の高い癌の一種。これまでの研究では、マラソンなどの高レベルの紫外線に曝露される屋外運動が皮膚癌リスクを上昇させることは明らかにされているが、屋外運動だけではなく、持久運動そのものが免疫システムを抑制するという

 オーストリア、グラーツ(Graz)医科大学の研究―チームは、地域の19〜71歳の長距離ランナー210人(男性166人)を選び、皮膚癌検査のキャンペーンに参加した210人を対照として比較した。被験者は皮膚癌検査を受け、本人や家族の皮膚癌病歴、日光過敏性、日光への曝露などの質問事項に答えた。長距離ランナーはトレーニング内容についても回答した。

 その結果、対照群はマラソン群に比べ太陽光により敏感だったが、長距離走者では悪性メラノーマに転じる可能性のある異形成性の母斑などがより多かった。またトレーニングが厳しい人ほど目立った異常が多く発生していた。今回の研究を通じて、24人の長距離ランナーと14人の一般人が、非メラノーマ性皮膚癌の可能性があり、皮膚科医を紹介された。

 米City of Hope 癌センター(カリフォルニア州)外科腫瘍学助教授のVijay Trisal博士は、長時間太陽光の下で過ごす人はメラノーマのリスクが高いと指摘。ランナーやその他の屋外運動をする人は、真昼には屋外に出ないようにし、幅広の帽子や日焼け止めを塗るなどの一般的な常識に従うべきだと述べている。

 研究著者のグラーツ医科大学皮膚科医のChristina M. Amgros-Rudolph博士は「楽しく、気分を良くする活動はある程度までは健康的だが、持久運動、特にマラソンやウルトラマラソンが、体全体を緊急的な状態にすることはすでに確認された事実であり、太陽光がピークになる時間帯(午前11時〜午後3時)のトレーニングは避けて、肩や背中を覆うウェアを着ることが望ましい」と述べている。

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 直射日光だけでなく、長時間の運動による免疫能の低下も関与しているようですね。持久運動によって心血管系は鍛えられますが、その運動の最中、免疫系統は抑制されている、ということでしょうかね。皮膚癌は結構怖いんで、できるだけ肌を守ってあげましょう。

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posted by さじ at 01:15 | Comment(0) | TrackBack(0) | 皮膚
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