2012年10月08日

慢性副鼻腔炎は正常な微生物、乳酸菌が枯渇しているために起こる。

副鼻腔の問題は微生物叢の問題

 鼻腔内の微生物叢の変化は慢性的な副鼻腔の問題を引き起こす可能性があることが、新たな研究から示された。これまで副鼻腔感染症の治療は、副鼻腔内の細菌の殺滅を目的としていた。

 しかし今回の結果は、慢性的な副鼻腔の問題を抱える人には、副鼻腔に再び細菌を定着させることで利益が得られる可能性があることを示している。Nicole Abreu らは、鼻腔に対する修正手術を受ける少人数の慢性鼻副鼻腔炎の患者と、副鼻腔の問題がなく、副鼻腔に関係しない手術を受ける患者について、微生物叢のプロファイルを調べた。これらの微生物叢の大部分の細菌は通常の実験条件下では培養できなかったため、微生物を同定するために高解像度微生物叢プロファイリングが用いられた。

 患者と健康な被験者の微生物叢を比較したところ、鼻副鼻腔炎患者では正常な微生物叢が消失しており、特定の微生物 Corynebacterium tuberculostearicum の増加が認められた。慢性鼻副鼻腔炎の患者では、細菌の多様性の減少、乳酸菌の枯渇、C. tuberculostearicum の増加がみられることが明らかになった。

 マウスを調べたところ、乳酸菌量を再度増加させると、疾患が軽減し感染から鼻腔が保護された。この原因は不明であるが、感染からの保護をもたらした細菌株 Lactobacillus sakei は、他の細菌種を殺す特別なタンパクであるバクテリオシンを産生できる。



 副鼻腔炎って結構辛いみたいですからね。常在菌って大事なんですねぇ。逆にむやみやたらに抗生物質を使ってしまうと、常在菌を殺して副鼻腔炎を作り出したりするんでしょうかね。
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posted by さじ at 14:57 | Comment(0) | 耳鼻
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