東京医科大学病院(東京都新宿区)で、2002年から04年にかけて心臓弁膜症の手術を受けた4人の患者が死亡した問題で、各患者の遺族と同病院の和解が成立したことがわかった。
患者4人のうち3人の遺族については、同病院が不適切な医療行為があったと認めて謝罪し、損害賠償金(総額約1億2000万円)を支払うとともに、来年から5年間は毎年1回、再発防止策の実施状況を遺族側に報告することなどを約束。残る1人の遺族は「和解内容は話せない」としている。
また、同病院は、03年6月に心臓バイパス手術を受けた男性患者(71)が死亡したケースについても、遺族側と和解した。
一連の事故後、同病院は遺族側の提案を受け、患者用の相談窓口や図書室などを整備。院内の全手術(年間約7000例)を録画し、希望があれば患者や家族に開示するほか、心臓外科教授には実績豊富な医師を学外から招くなど、医療の質を高めたとしている。
一方で、学長と病院長は今年9月から空席となっており、事故後に取り消された国の「特定機能病院」の資格についても、再承認のめどは立っていない。岩本俊彦・病院長職務代理は「年明けには学長と病院長を決め、再発防止策もさらに徹底して、信頼回復に努めたい」としている。
04年2月に死亡した男性(67)の長女(38)は、「和解は一つの区切りだが、これで終わりではない。早く安心して受診できる病院に生まれ変わってもらいたい」と話している。
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東京医大の名が一気に地に落ちた事件です。もう2年も前のことなんですね。1人の外科医が4人連続で死亡させた医療ミス。国の特定機能病院としての看板も外され、東京医大はどこへいくのやら。しっかり反省し、二度とこのようなことがないよう、徹底してもらいたいものです。
参考:
(上)未熟なまま執刀
(中)連続ミス 院長知らず
(下)「患者のための病院に」
関連:医療ミスはすぐ謝罪したほうが逆に訴訟を減らすことができる