2006年12月04日

神奈川県で精神科の救急を完全24時間化へ

07年度中に精神科救急の完全24時間化整備へ/神奈川県、横浜・川崎市

 県内で精神科救急の二十四時間化が進められている。診療の空白時間帯となる深夜から早朝にかけての精神科救急を担う県と横浜、川崎の三県市は二〇〇七年度中にも体制を整える方向。一方で、受け入れ病床や担当医の不足は常態化しており、患者団体は「受け皿の充実がなければ、制度は機能しない」との懸念を隠せずにいる。

 三県市は〇二年度から、自分や他人を傷つける恐れがある「自傷他害」の患者を警察が保護し医療機関に措置する「ハード救急」を二十四時間化した。ただ、症状に応じて患者本人や家族の診療要請を受け付ける「ソフト救急」は対象外だった。

 患者らでつくる「誰もが安心して利用できる二十四時間精神科救急医療を推進する会」(広田和子代表)は「患者や家族が求めているのは、ちょっとした症状の変化を相談できる医療体制」と指摘。「ソフト救急」の二十四時間化を求めてきた。

 その結果、「ソフト救急」も〇三年度から土、日曜の二十四時間化が実現。平日についても〇七年度からの導入を三県市が検討している

 一方で、受け入れ態勢は十分ではない。三県市の精神科救急の病床数(夜間〜早朝の基幹病院分)は現在二十三床で、ニーズに対応できないケースもあるという。広田代表は「病床不足で患者が警察署で長時間過ごしたり、遠方の病院に搬送されたりすることが少なくない」と実情を明かす。

 特に川崎市域は市立川崎病院(川崎区)の二床のみで、県域の十五床、横浜市域の六床に比べ少ない。横浜市は〇七年度に六床を増床する予定。同会はこうした動きと比較して「川崎市内の病床整備が遅れている」と指摘、川崎市に改善を求める要望書を提出した。

 患者の同意を経ずに入院を決定できる「精神保健指定医」の確保も課題。川崎病院では指定医が一人しかおらず、毎週火曜日以外の午後五時以降は、指定医不在の診療態勢が続いている。川崎市は「待遇や勤務条件面から開業を志す精神科医が増えており、指定医の確保は難しい」と説明。「新たな基幹病院の指定を含め、病床確保や適正な救急運営に努めたい」としている。

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 難しいですね。精神科医といえばどちらかというと面接によって少しずつ治療実績をあげていきたいんだと思います。ま、最終的にはそうやって治療しなければならないんでしょうが、急性的に増悪する患者も当然いるわけで。私の意見としては、他の当直と同様、精神科医が交代でやっていくしかないと思うのですが?さすがに精神科のニーズがこれだけ高まってしまえば、「九時五時」でやっていくのは無理ですよ。

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posted by さじ at 22:37 | Comment(0) | TrackBack(0) | 救急
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