岐阜県生物工学研究所(平正博所長)は28日、同県美濃加茂市の食品加工会社「八尋産業」(大矢正昭社長)との共同研究で、未成熟柿(青柿)の粉末に血中のコレステロールを減少させる効果があることが分かった、と発表した。高脂血症やメタボリックシンドロームの改善に有効とみられ、県は機能性食品や薬品としての実用化に向けて研究を進める。
同研究所によると、共同研究で同県の特産品である柿の約3分の2が未成熟の段階で摘果されることに着目。高脂肪・高カロリーの餌に、乾燥させた青柿の粉末を10%混ぜて、マウスに14週間摂取させる実験を行った。
その結果、粉末入りの餌を食べたマウスは、血中のコレステロールから胆汁酸を合成する肝機能が促進された。さらに、通常は90%が小腸を通じて肝臓に再吸収される胆汁酸の体外への排出量も約4倍に増加。結果として、肝臓が血中からより多くのコレステロールを吸収し、血中のコレステロールが減少した。マウスの健康状態に異状はなかった。
青柿のどの成分が肝機能を促進したのかは不明。また、収穫時期によって効能が異なる可能性もあるため、今後も詳しい研究を続けていく。
岐阜県は甘柿の出荷量が全国2位(05年度)。実用化されれば、これまで摘果により大量に廃棄されていた未成熟柿を活用でき、柿農家の新たな副収入源としても期待される。
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ほー。胆汁酸を沢山つくり、外に排出することで血中コレステロールを下げるとは。青柿なかなかやりますね。今まで廃棄していた青柿から、もしかしたら大ヒット商品が作れるかもしれません。
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