東京都内のぜんそく患者ら96人が国や都、自動車メーカーなどに約20億円の損害賠償を求めている東京大気汚染訴訟で、都は28日、和解に向け、都内在住のぜんそく患者全員を救済する新たな制度の創設を東京高裁に提示する。
同日午後、石原慎太郎知事が東京高裁を訪れ、裁判所側に説明する。高裁では今後、都の提示を国や原告側に示し、和解を促すことになる。
提示される新たな救済制度は、被告の都と国、旧首都高速道路公団(現首都高速道路会社)、メーカー7社がそれぞれ負担金を支出し、国の公害健康被害補償制度で救済の対象外になっている都内の未認定患者全員の医療費を給付するというもの。患者の自己負担はゼロにする。
都の提案に対して、国、メーカー、首都高速道路会社側の対応が注目される。
都は現在、18歳未満のぜんそく患者については独自の医療費助成制度を設けているため、新たな救済制度は、18歳以上の未認定患者が対象。都の試算では都内のぜんそく患者は約20万人近くに上り、助成額は年間数十億円になる見通しだ。
石原知事は9月27日の都議会で「裁判所に任せていても抜本的な解決にはつながらない」として、新たな救済制度を検討していくことを明言していた。
控訴審は9月に結審したが、東京高裁では現在も原告、被告の双方から意見を聴取しながら、和解を模索している。
これまでに、国側は「国に責任はなく、排ガスとぜんそくとの因果関係も証明されていない」と主張。一方のメーカー側は、株主代表訴訟の懸念などから「金銭の負担は難しい」としながらも、社会的責任から環境対策への支出には前向きな姿勢を示している。
東京大気汚染訴訟
都内のぜんそく患者らが1996年5月、国と都、旧首都高速道路公団、自動車メーカー7社を相手取り、約20億円の損害賠償などを求めて提訴した。2002年10月の1審・東京地裁判決は排ガスとぜんそくの因果関係を認め、沿線住民7人について総額7920万円の支払いを命じたが、メーカーの責任は否定した。今年2月までに提訴は6次に及んでいる。
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思い切りましたなぁ。確かに喘息は一種の公害病かもしれませんが、体質によるものかもしれませんし、まだそこらへんは分かってないのではないでしょうか。それでもあえて全額負担。責任は全て我にありと不備を認めている姿勢には拍手です。
ですがメーカー側や国側がお金を払いますかねー。難しいと思いますが。
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