2006年11月23日

薬害エイズ事件の担当医の手記が出版される

薬害エイズ事件:壮絶な死、まるで凶器 非加熱製剤使用中止の内幕−−元担当医が手記

 国内で初めて血友病患者としてエイズにより死亡と認定された患者の元担当医で、香川県赤十字血液センター所長、内田立身医師(67)が手記「真実を直視する 薬害エイズ訴訟の証人医師として」(悠飛社)を出版した。早くから非加熱製剤による感染の危険を疑い、使用を中止した内幕を明かしている。非加熱製剤の使用を続けた薬害エイズ事件の安部英・元帝京大副学長=控訴審審理中に死亡=について「危険性を知らなかったはずはない」とその責任に言及している。

 内田医師は「自分がかかわった薬害エイズ事件を記録し、悲惨な実態を通じて薬害防止につなげたい」と訴えている。

 京大医学部で血液学を学んだ内田医師は、留学を経て福島県立医科大へ。85年に非加熱製剤を使用した血友病患者の治療に携わった。患者は入院後約1カ月で亡くなったが、症状などからエイズ感染が疑われた。同年5月、安部元副学長の血友病患者2人とともに、国内初の旧厚生省の認定患者となった。

 手記には、抵抗力が落ち、原因不明の肺炎に苦しむ患者の様子が、当時の病理組織の写真や死亡後の解剖報告書の写しなどとともに記載。「患者の死があまりに壮絶で、非加熱製剤に凶器のようなイメージを抱いた。同時期に安部医師の下で非加熱製剤の使用が続けられていたことは、想像もしなかった。後に知ってまさに仰天した」と書かれている。

 内田医師は元副学長の控訴審審理中の02年末、非加熱製剤から安全な加熱製剤に切り替えた経緯を証言するよう東京地検から要請された。同じ医師の責任追及には心の葛藤もあったが「真実が永遠に闇の中に葬り去られてしまう」と証言に踏み切った。エピローグでは「医師にとって、自分の眼で病気を直視することほど重要な体験はない」と締めくくる。四六判、149ページ。1470円。

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

 勇気ある行いですね。

 安部英といえば医師の大罪人というイメージが強いでしょう。他国で加熱製剤が承認された後も非加熱製剤を使い続けたり、何といっても自分の患者にHIVに汚染された非加熱製剤を投与したのが決定的でした。厚生省エイズ研究班の班長というポジションにいながら、ですからねぇ。

 患者だけでなく医者も、役人の決定事項に従うしかないのが現状です。その役人が金にまみれた時、どうやって自分の身を守ればいいのか。皆目検討もつきません。

関連
医学処 HIVを減らす「遺伝子治療」実験が好成績を挙げる
医学処 献血した人のHIV陽性率が過去最悪に
医学処 民間からエイズ予防財団国際課主任となった柏崎正雄氏


広告
posted by さじ at 11:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | 感染
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック