透析やがん患者の貧血治療薬として広く使われている処方薬エポエチンとダーベポエチンが大量に摂取すると心臓病や死亡リスクを高めることが、ハーバード・メディカル・スクールの研究で分かった。
エポエチンをブランド薬「エポジェン」、ダーベポエチンを同「アラネスプ」として販売するアムジェンと、エポエチンを同「プロクリット」として販売するジョンソン&ジョンソン(J&J)の昨年関連売り上げは計90億ドルに上った。
臨床実験では、腎臓病による貧血患者を2つのグループに分け、第1のグループには貧血を治すのに必要なほぼ最大の量(平均ヘモグロビン値12.6g)を、第2のグループには貧血が残るくらいの少量(同11.3g)を投与した。その結果、第1グループの心臓病・死亡確率が第2グループより34%も高かった。
実験に参加した人はまだ透析を必要としない患者だったが、透析患者でも同じ状況になると見られている。
1989年にFDAに認可されたエポエチンは現在、国内の透析患者の90%以上に使われている。J&Jは今年1〜9月までに、「プロクリット」を24億ドル売り上げた。一方、アムジェンは同期間、「エポジェン」や「アラネスプ」を昨年同期比で15%増の49億ドルを販売した。
透析患者にはメディケア受給者が多いが、病院はそれだけでは大きな利益を出せないため、多量のエポエチンを投与しているのではないかと指摘されている。国内の一般的な透析患者に投与されるエポエチンの量は、第1グループに投与した量と同じで、90年代初めから現在までに約3倍に増えている。欧州の投与量は第2グループに近く、患者の死亡率は約15%と米国の約22%と比べて低い。
食品医薬品局(FDA)は「この研究結果のデータを確認している。すでに『エポジェン』のラベルには医師向けに説明されているが、より詳しいアドバイスを発表する」と話した。
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どんな薬にもそれ相応のリスクがあるわけで。医師の処方に従って下さい。
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