金沢大の研究グループが26日、自閉症の症状改善に効果があるとされる脳内ホルモン「オキシトシン」が、自閉症の人に多い考え方や感じ方をする人に対し、効果があることを脳内の反応で確認したと発表した。同大附属病院の廣澤徹助教(脳情報病態学)は、「自閉症の人のうち、どんな性格の人に効果があるかが分かった。自閉症に起因する精神疾患などの治療にも役立てたい」と話している。
オキシトシンは出産時に大量に分泌され、子宮収縮などに作用し、陣痛促進剤などに使われる。近年、他者を認識したり、愛着を感じるなどの心の働きに関連するとの研究報告も出ている。
研究グループは、20〜46歳のいずれも男性の被験者20人に「喜び」「怒り」「無表情」「あいまいな表情」の4種の表情をした37人の顔写真を提示。全員にオキシトシンを鼻の中へ吹きかけ、投与の前後で写真の人物の表情を見た時の脳の反応を、脳神経の活動を示す、脳内の磁場の変動を計る脳磁計で調べた。
ヨーロッパではオキシトシンの鼻スプレーみたいのが医薬品として使えるんでしたっけね。自閉症に効果が出てくれば、重症例とかでも日常生活を送れるようになるかもしれません。期待大。
淡路のサルには優しい遺伝子がある
兵庫県の淡路島に生息するニホンザルの集団は他の地域と比べて他者に優しい性質を持ち、「優しさ」に関係する遺伝子の構造にも、差があることを、京都大野生動物研究センターなどが発見した。
同センターの村山美穂教授や大阪大人間科学研究科の山田一憲講師は、直径8メートルの円にエサをまき、サルの行動を観察。淡路島では群れの大半の180匹が集まって食べ、争いもほとんどなかった。一方、岡山県真庭市の集団では強いサルが弱者を追い払い、円内に入れたのは150匹のうち最大で20匹だった。
さらに村山教授らは、ヒトやサルの出産などの際に増え、攻撃性を抑え寛容性を高めるとされるホルモン「オキシトシン」に着目。このホルモンの指令を受け取るたんぱく質の遺伝子に、個体によって違いがあることを見つけた。
オキシトシンの感受性の差?なんでしょうか。サルの優しさが、サル同士のコミュニケーションによるものだとすると、同じように人間のコミュニケーションの質的障害も改善することができるかも?