新薬開発のため、世界の多地域で同時に行う「国際共同臨床試験」で、日本、米国、欧州の大手製薬会社が実施している413件の試験計画のうち、日本人の協力者を含む計画はわずか6件だったことが、米国立医学図書館の臨床試験登録からわかった。
スピードが遅く、コストが高いなど、日本の臨床試験の特徴が障壁になっているとみられ、海外で有効性が認められた薬が、日本人のデータが不足しているため、国内で使えない事態も起きている。
日本製薬工業協会・医薬産業政策研究所が8月下旬に、同図書館の登録データを調べた。少数の患者で適切な投与量などを調べる第2相試験、多数の患者で有効性や安全性を確認する第3相試験で参加者を募っている臨床試験のうち、日米欧の大手製薬会社12社がかかわっている臨床試験を対象にした。87か国で国際共同臨床試験が計画され、米国(264件)、カナダ(175件)、ドイツ(171件)の順で臨床試験に組み込まれている件数が多かった。日本は60番目で、アジア諸国でも下位だった。
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逆に、海外で有効性が認められて、中でも日本人に最も効果がある薬なども存在します。肺癌の分子標的薬イレッサ(ゲフィチニブ)が有名ですね。
混合診療に関する問題なども、根底を見れば「新薬承認までのスピードが遅い」ことがあげられるわけで。もしここを他国並に早くすることができれば、混合診療も適用されて、患者にとっては医療の選択肢が広がるんですけどね。所詮、役人仕事ですから、難しいとは思いますが、努力して体制を変えていってもらいたいところです。
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