妊娠中から出産後にかけて、虫歯菌(ミュータンス菌)や歯垢を減らす作用がある天然甘味料「キシリトール」を摂取すると、産まれてくる子どもの虫歯菌感染が抑えられることを、岡山大大学院の仲井雪絵助手(歯科医師)らが突き止めた。
虫歯菌の感染が遅いほど、虫歯になりにくくなるとされており、母親の心がけが、子どもの虫歯予防につながることを実証した研究成果として注目される。
虫歯は、虫歯菌が砂糖などを分解する際にできる酸が歯を溶かすために起こるが、キシリトールを摂取すると、酸が生成されないうえ、虫歯菌を、歯からはがれやすい善玉菌に置きかえる作用が確認されている。
仲井助手らは、虫歯菌が多い妊婦84人を2群に分け、一方には、食後など1日4回以上キシリトール入りガムを5分間かんでもらった。もう一方は、キシリトールを全く摂取しなかった。これを妊娠6か月目から出産後9か月目にかけて続けたうえで、子どもが1歳半になるまで、3か月ごとに口腔内の虫歯菌の量を追跡した。
その結果、母親がガムをかまなかった非摂取群では、子どもが1歳、1歳半の時に虫歯菌に感染した割合は76・9%、91・7%。これに対し、摂取群は、それぞれ15%、42・9%と感染率は半分以下に抑えられた。
虫歯菌感染の原因の大半は、虫歯の親が食べ物をかんで子どもに与えたり、親子のはしやスプーンの共有だとされるだけに、仲井助手は「出産前後の母親の口腔状態を改善することが、子どもの虫歯を予防する一つの手段になる」と話している。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
というか、口移しで食べ物をやらないことを徹底すればいいのでは…?まぁ世の中広いもので、「義理の母親が我が子(つまり孫)に口移しで食べ物をやっているのを目撃した」といった体験談も数多く存在します。自分だけ徹底してもダメ、ということですね。周囲の人間に注意を促せばおそらく大丈夫なのではないかと。虫歯になりやすい・なりにくいというのは新生児のうちに決まってしまうものだと思うので、できれば頑張ってほしいですね。
関連
医学処 歯の成分を高速で吹き付けることで虫歯も元通りになる技術
医学処 乳酸菌の働きで虫歯を予防する新しいタイプのガム発売
医学処 戦争と虫歯を話し合う、軍所属の歯科専門家サミット
医学処 虫歯菌などの口腔内の悪玉菌を狙い撃ちする抗菌療法を開発。
キシリトール入りの歯磨き粉を水に溶いて噴射できます。