2006年11月17日

イモ貝の毒素で、重度の神経痛を和らげることができる

イモ貝の毒に神経痛を和らげる効果=米ユタ大学など研究グループ

 AP通信によると、米ユタ大学のマイケル・マッキントッシュ教授を中心とする研究グループはこのほど、ネズミを使った実験で、海産の巻貝である「イモ貝」の毒に、重度の神経痛を和らげる働きがあること発見し、米科学アカデミー紀要の電子版に13日付で発表した。これにより、新しい鎮痛剤の開発が期待されるが、マッキントッシュ教授はヒト用の経口薬を開発するまでには10年程度がかかる見込みだとしている。

 研究では、イモ貝の毒が刺激を受け取る分子の1種である「a9a10 ニコチン性アセチルコリン受容体」をブロックする働きがあることを突きとめた。アセチルコリン受容体は、痛みを伝達する脊髄後根神経節を含め、ヒトの体の各部に存在する。一般的な鎮痛薬は神経痛には効き目が薄く、モルヒネのような強い薬品だと副作用の危険がある。

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 痛みを伝える神経の道筋の間を行き止まりにしてやることで、痛みを感じなくするということです。ボツリヌス毒素を弱めて用いれば顔面神経麻痺や眼瞼下垂が治るように、自然界にある毒素を逆に利用することもできるわけです。副作用がないということなので結構期待できそうですね。痛みって結構重要な要素です。生きたいと思う気持ちすら挫いてしまうほど、人は痛みに弱いですから。

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posted by さじ at 00:41 | Comment(1) | TrackBack(0) | 薬理
この記事へのコメント
10年前に脳内出血を発症し完治しておりますが
後遺症で右半身に後遺症が残っております。
特に疼痛に悩ませれております。
イモガイを利用した鎮痛剤に期待しております。
現在、研究はどれくらい進んでいるのでしょうか?
治験の予定はないのでしょうか?
Posted by 小野 恭彦 at 2011年02月28日 12:40
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