2012年06月17日

小学生に抗精神病薬を大量に処方する精神科医がいるらしい。

向精神薬漬けにされる子どもたち―文科省方針で乱用・大量投与

上半身の揺れが止まらない小学生、足の先が小刻みに痙攣し続ける高校生―番組冒頭にショッキングな映像が流された。取り上げたのは「向精神薬」と言われる薬の副作用で多くの子供たちが苦しむ姿だ。発達障害の症状がある子どもに対し、小学校低学年までに副作用のある向精神薬を処方している専門医が、全国で7割に達することが明らかになっている。いったい今、子供の世界で何が起きているのか。

番組の初めにキャスターの国谷裕子がこんな異例の前置きをした。「精神的疾患は早く発見し、治療をすれば治ると考えられており、この番組では一律に薬の投与を否定するものではありません

NHKらしい気遣いだが、多量な薬の投与に苦しむ子ども、「ヒヤヒヤしながら」処方する専門医の証言など、向精神薬を子どもに投与することへの疑問をストレートに伝えた。

背景にあるのは文部科学省がすすめる学校と医療機関の連携だ。教師の指導で多くの子供が精神科を受診し、精神を穏やかにする向精神薬や激しい落ち込みを改善するための向うつ薬、向不安薬、さらには睡眠薬を服用させられている。これについて、文科省の担当者は「子供たちの心の問題を早期に発見し、早期に治療するためには医療の力を借りないと解決しないところがある」という。

しかし、副作用に苦しむ姿を見ると、子どもが身を持って「くすり漬けにはなりたくない。安易に薬に頼る風潮を国が推進していいのか」と訴えているように見える。しかも、向精神薬を止めると「離脱」という恐ろしい反応があり、命にかかわることもあるという。

厚労省が行っている患者調査では、発達障害やうつ病などの精神疾患で受診した未成年の患者は、平成20年に15万人、12年前に比べ倍増しているという。国立精神・神経医療研究センターが、どんな薬を何歳からどれだけの量を与えていたかを、全国の精神科・小児科医を対象に調査したところ、薬物の開始年齢は就学前が39%と一番多く、次いで小学校低学年が36%。小学校低学年までが7割を超えていた。このなかには、興奮性を抑える薬を3〜4歳から与えていた医師、睡眠障害をおさえる薬を1〜2歳の幼児に投与していた医師もいた。いっぽうで、「内心ヒヤヒヤしながら処方」「重篤な副作用がまれでない向精神薬を使い続けることに疑問を感じながら処方」と語る小児精神科の医師もいた。

成長過程にある子どもがこうした薬物を服用した場合の影響について、現段階ではほとんど解明されていないし、どのくらいが適量かも明らかにされていないという。

井上登志子記者はこう答えた。「最近は、発達障害やうつ病などの兆候をいち早く見つけ、早期治療に繋げて専門的なケアをした方が病状の悪化を防げるという考えが学校現場や医療の世界に浸透しています。文科省では子供の異変を見抜く教師向けの手引書を作成しているし、医師が学校へ入って行って教師の相談に乗るという取り組みも各地で始まっています。しかし、なかには深刻な副作用に苦しむケースも出てきています」

児童精神科医の石川憲彦医師は「問題は2つある」と次のように指摘する。「10年ぐらい前からだが、精神障害の兆候があると親も先生も医師も見逃してはいけないという『善意と怖れ』の混じりあった意識が強く働くようになった。昔なら子どもの行動をこれは元気な証拠だとか、個性的だとか、面白い行動と見ていたのを、最近は問題行動と悪い方向で見るようになってしまった」

では、成長過程の子どもを持つ親は子供の異変にどう対処すればいいのか。石川医師は「人間の脳は生まれ落ちた時にすでに土台と大ワクができている。5歳ぐらいまでに内装工事をしていくし、その後数年間はものすごい勢いで配線工事が起こる。私は12歳ぐらいまではほとんど薬なしで問題を乗り越えていけると思っている」

福島原発事故の放射線汚染と似ている。国の方針、情報を鵜呑みにして子どもをくすり漬にすると取り返しのつかない事態になることもある。



 実はめっちゃくちゃ難しい問題です、これは。簡単に「薬漬けにしてはいけない」と言い切れないんです。

 まず、おそらく小学生のうちに薬を投与するというケースは、統合失調症やうつ病、双極性障害ではほぼありえないでしょう。(発症年齢からして)

 未就学時に抗精神病薬を投与するとなると、まず間違いなく、発達障害絡みです。

 この発達障害というのがなかなか難しくて、何でかというと、簡単に言ってしまえば、完治ができません。例えば小学生で発達障害、それも、重度の発達障害がいたとしましょう。そうすると、何か説得して生活が送れるようになるとか、親の愛や医師の努力でどうにかなるとか、そういうことはありません。本人が、自分の特性を理解して自分なりにストレスがかからないように生きることは教育で何とかなりますが、それすら全く入らない重度の発達障害の子供の場合、周りが対処法を覚えてうまく生活していくしかない。

 些細なことで上手くいかず、癇癪を起こしてしまう子供、それも何か言っても全く聞かない子供がいたとしましょう。どうしますか。昔ならどっかに閉じ込めておけばよかったかもしれませんが、現代ではそういうわけにもいかない。親としては、少なくとも日常生活をうまく送ってほしい。そういう場合に抗精神病薬で「衝動性」を抑える必要があるわけです。何も医者が大量にバカスカ薬を出してるわけじゃなく、必要最小限です。記事にもあるように、出さずに、親に対処法を教育する精神科医のほうが多いと思いますが、この記事で取り上げられているように「抗精神病薬漬け」になっているのは、よほど勉強不足の医者か、患児の症状が重すぎる場合ではないでしょうかね。

>精神的疾患は早く発見し、治療をすれば治ると考えられており

 と、キャスターは言っていたようですが、これは統合失調症の場合ですね。最近では統合失調症は、早期に発見して早期に治療を開始すれば再発が圧倒的に少なくなるらしいです。重度発達障害の場合はそういうことは見込めませんので、治療しても完治するということはないでしょう。しかし生活にうまく適応させることは、できるかもしれない、そのために少量の薬を使うのは何も間違ったことではないと思います。

 ここまで肯定的に書いてきましたけど、確かに精神科医の中にはろくに勉強せず薬を出せばいいと思っているバカ医者も多いので、いきなり大量に薬を出された場合は要注意です。おそらく精神科医としての力量が伴っていないでしょう。
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posted by さじ at 03:59 | Comment(0) | 精神
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